表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたは、だあれ?  作者: ぬまちゃん
平行世界の彼ら
38/74

ンファの語り

 

「うーん、どうもタクヤさんは突っ込みが鋭いなあ。説明に時間がかかるので、ある程度はしよって説明しているのですが、それが結果的には隠していると思われてしまうのですね」


 ケンジ君の体を借りている、ンファは、苦笑いをしながら言った。


「だから、急がなくていいです。ゆっくりと、筋道を通して話して下さい。話の中で矛盾が出てしまって、そこで戻る方が、僕らにとってもあなたにとっても有益にはならんでしょう?」


 タクヤさんは、少し怒った風な口調で言った。

 さらに続けて、タクヤさんは話す。


「はっきりと言って、今回のあなたの出現方法自体が胡散臭いんです。貴方は、その部分を理解していない。貴方は、僕たちの懐疑心を取り除くような説明をすべきなんだ。それを、はしよるから、猜疑心が増すんです。貴方は、単純に研究の一環で通そうとしているが、そうであるならば、もう少し慎重に行動すべきだ。こちらの世界に表れる下準備をしていながら、さも偶然にここに来てしまった、という言い方は良くないと思いますよ。少なくとも、僕たちの前では通用しません」


 ンファの言葉には、少し不安が混じる。


「そうですか。分かりました、確かにおっしゃる通りですね。あなた方から見たら、私はこの世界を混乱に導く謎の異星人ですからね」


 タクヤさんは、頭を掻きながら、ンファの話にイライラしているようだ。


「いや、異星人だとはおもっていませんが、少なくとも共通な世界観を持ちえないと思いました。それが、あなたのいる世界の標準的な考え方なのか?それとも、単純にあなた自身の考え方によるものなのか?僕達には判断出来ないという事です。あなた一人の語りでは、あなたの世界全てを語っているか、分からない! といっているんです」


 タクヤさんの独壇場は続く。


「だから、とりあえず理解できる事としては、平行世界という処からあなたがやって来た、という事だけです。そのあなたが、平行世界に関して個人的な意見を述べているだけだ、という認識でいます。逆にこちらから質問します。どうして、この世界を選んだんですか? 偶然という嘘は通じませんからね」


 タクヤさんは、まだ怒っていた。


「分かりました、それでは私の意見として説明しましょう。この世界を選んだ事自体は、本当に偶然です。私達には、まだ平行世界を自由には選べません。ただし、平行世界の中で、心を入れ替える対象は、ある程度の選択が可能です。選択が可能というのは、心を入れ替えるのが楽な個体と、心を入れ替えにくい個体があるんです」


 ンファは、そこで一瞬考えこんだように間を開ける。


「私達は、ある種のセンサーを使って、心を入れ替えやすい個体をこの世界で探していました。ケンジ君は、その点非常に優れている個体でした。私たちのセンサーに真っ先に反応してくれたのです。

 もちろん彼自身は、全然意識していないと思いますが。それから、ケンジ君の身辺調査を行い、質量観測自体は行われているが、まだ我々のレベルに達していないという結論に達したのです。それから、ケンジ君の心を入れ替えるために、彼の心のリンク状態をモニターし始めました。また、私の記憶を彼に転送する準備も始めた、という訳です」


 ンファは、タクヤさんに問い返す。


「どうですか、タクヤさん。これで、納得してくれましたか?」


「そうですね、かろうじて及第点は差し上げましょう」


 タクヤさんは、不満を隠さずに答えた。


 ***

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ