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あなたは、だあれ?  作者: ぬまちゃん
被験者から観測対象者へ
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SF(少し不思議)な教室

 キリーッ、レイ、チャクセキ!


「おはようございます。皆さん」

 いつものように担任の先生が入って来る。


「今日は、学年主任から大切なお話がありますので、よく聞いて下さい」

 担任の先生は、いきなりそう切り出した。


 週の初めの月曜日、朝一番の朝礼に担任の先生から、今日は特別な話があるから少し待つ様にと言われた。学年主任なんて、新学期始まりと終業式の日ぐらいしか話をしない。だって、今時の高校生が目上の話をタダで聞く訳無いじゃんか?という事がよく分かっているからだと思ってた。


 一体何の話だ?……


 クラスの奴らはざわついていたが、俺だけは理由を知っている。理由だけじゃ無い、どんな話をするかも、大体想像出来る。多分、例の「婚約指輪」もとい「はかる君2号機」の話だ。


「……と言うわけで、今回特別にこのクラスと隣のクラスの2クラスの生徒に対して脳内活動を観測する事となりました。脳内活動の観測と言っても、現代の技術では具体的な脳内イメージを抜き出して個人情報を盗み見るというようなSF的な事は一切出来ません。皆さんがテレビ等でよく聞くα波の観測に近いものらしいです」


 ここまで一気にしゃべってから、


「要するに、授業中に誰が居眠りしているか? 誰が集中しているか? を観測出来るレベルの物だと聞いています」


 ……えー!……


 学年主任が、「授業中に居眠りしている事が分かる機械」と言った途端、教室中の生徒が一斉に反応した。


「そんなのプライバシーの侵害じゃ無いっすか? 俺たちだって居眠りする事や、ボーッとする権利はあるはずですよ!そんなの学校側の横暴だー」


 教室中が大騒ぎになって、暴動が起こりそうになったので、学年主任も慌てたようだ。


「ちょっと待て君達、最後は僕の願望が入っただけだ。実際には、個人単位の観測結果は一切開示されないそうだ。クラス全体で居眠りしている者の比率が分かるだけらしい。依頼を受けた大学の研究室の先生の話では、授業方法によって生徒たちの集中力がクラス全体としてどの様に推移するかを知る研究らしい。だから比較のために2つのクラスを対象にするのだそうだ」


 そこまで話してから、なぜか勿体ぶった言い方を始めだした。


「まあ、そのために観測用の機械を一定期間の間付けていてもらう事になった。24時間モニターする必要があるため、観測装置は非常に小型になっている。君達にはこの機械を24時間肌身離さず付けていて欲しい。観測期間は観測状況から判断されるが、目安としては1ヶ月程度の予定だそうだ」


 そこまで話してから、学年主任は小さな小箱を取り出した。


「君達が一番気にしている観測装置だが、実はこれなんだ……」


 学年主任が出して来たのは、例の指輪だった。


 ……えー!……


 さっきとは別の意味で教室内が騒がしくなった。特に今回は女子の叫び声も混じっている。


「これを付けるんですか?恥ずかしいー」


 クラスの男子は本当に恥ずかしがっている様だが、女子の中には半分ぐらい喜んでいる様に見える。まあ、学校公認の宝飾品になるわけで、堂々とリングを付けて放課後も街中を歩けると言う事を言っている訳だからな。


 学校側としては、大学の研究室に協力しつつ授業の質を上げる事に繋がるし、生徒(特に女子)としては、学校側公認のリングを付けていられるという事で、利害の一致を見た様だ。まあ、一部男子からは不平が出たが、女子がオッケーした事柄をひっくり返すほどの度胸は無かった。


 これで、無事にプランBは遂行される事になった。


 クラス全員がリングをして授業を受ける、少し不思議な感じだが、まあこれで俺が「はかる君」を付けていても、誰にも気付かれない。


 モモも喜んで付けてるみたいだし、まあいいか。


 ***

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