幼馴染のモモ
後ろを振り返ると、そこには幼馴染のモモが不思議そうな顔をして立っていた。少し早歩きで俺に追いついた感じで、肩で息をしているように見えた。
「どうしたの?朝のテストが憂鬱だからって、そんなロボットみたいなガチガチの歩き方をしてたら、だめじゃん」
俺の事を不思議な動物か何かを見るように、話しかけてきた。
「どうせ駄目なら『当たって砕けろ!』でしょ。あ、砕けちゃダメだけどね」
今日のテストの事に、サラリと話を切り替える。
「私の秘策を君に授けてあげようか?結構当たるのよ、これが」
今日のテストが楽しみなのか、それとも俺に追いつけて嬉しいのを誤魔化すためなのか、さらにテストの話を続けてくる。(こいつ何言ってんだ?俺は今日のテストは気合が入ってるんだよ。)
「お、おう…… まあな。何か昨日遊びすぎたのか、体の筋が強張ってたみたいなんだ」
取り敢えず体は動くようになったので、話をはぐらかそうとする俺。
「お前のショック療法が効いたみたいだぜ。まあ、ありがとうと言っておくぜ」
でも、モモのおかげで身体が動くようになったのは事実なので、一応お礼は言っておく。
「『まあ』はなによ、一体!でもまあいいか、感謝の言葉と受け取っておくわ」
カバンを持つ手を背後に組んで、俺を見てニッコリするモモ。
「こんな私でも君のお役に立てたのは光栄ですわ。おほほほ」
俺がお礼を言ったのが、よほど嬉しかったのか、口元に手を当てて何処ぞのお姫様のような笑い方をする。
「さあ、早くしないと電車に乗り遅れちゃうわよ。さあ、さあ、行きましょう!」
今笑ったかと思ったら、突然真面目な顔になって俺を急かす。女心と何とかは変わりやすいと言うけどさ、ホント不思議だぜ。
「いやー、ほんとに助かったなぁ……」
あのまま、本当にどうにかなるかと思ってしまった。
モモが言ってたみたいに、多分壊れたロボットのようにギクシャクした動きだったんだろう。しかし、一体俺の体に何が起こったんだ?
今度の休みに兄貴の所に相談に行こうかな。




