平凡な午前中
高校生で、何も無い一日がうれしいのは確かに変かもな。
でも、高校生活で一日中何も無いなんて事はないんだよな、普通は。
まあ、ボッチで居られれば良いんだけど、なかなか回りが許してくれないしなあ。
最大の理由は、学校の授業と課外活動だよな。
今日は、朝から数学のテストがあるだろ、それと昼飯は食堂のうどんに並ぶか購買部の菓子パンの取り合いに参加するか、後は夕方から課外活動もあるしなあ。
まあ、体育は無いのが唯一の救いだけどな。
「おはようございまーす」
やっと無事に高校までたどり着いたよ。
モモとはクラスが違うから、
「また後でな、今朝はありがとうな」
とお礼を言って別れた。
流石に教室内で異常な行動を取れば隣の席のやつとか、先生が気が付くだろう?
まあ、モモが居なくても何とかなると思って、教室に入った。
「おはよう、ケンジ君! あら? どうしたのミサンガなんか付けちゃって。もしかしたら、モモちゃんからの贈り物かしら? ウフフ、ケンジ君も隅に置けないわね」
クラスメートで、モモの友人でもあるユカが興味深々な目つきで近づいてきた。
「よせやい、そんなんじゃあないよ。兄貴のお土産なんだよ、学校にも付けて行けって五月蝿くってさ。ほとぼりが冷めるまで付けてるんだよ」
クラスメートでも結構ツンデレな彼女に目を付けられると色々大変だから、なるべく大げさにならないように答えた。
「あー。ケンジ君のお兄さんて、今は国立大学の大学院生なんだっけ? ねーねー、私も今度紹介してよ。お、ね、が、い」
かなり大胆に近づいてきて、ケンジの耳元で囁くように話しかけるユカだった。
「分かったよ、うるさういなあ。数学のテスト準備が出来ないじゃないか。じゃあ、こんどモモと一緒に連れてってやるよ…」
ケンジはユカが耳元で囁くので、ちょっとドキドキしながらもぶっきらぼうに答える。
「なにいってるのよ、ケンジ君って頭良いんだから準備なんか必要ないじゃない? 確か、今日のテストは中間テスト前の理解度テストって先生言ってたもん」
ユカの大胆な接近に、ケンジ少しどぎまぎしているそぶりを見せるのを楽しむように、さらに近寄りながら話しかける。
多少でも褒められると悪い気はしないのだが、週末は色々ゴタゴタがあって、ほとんど教科書見てないし、とりあえずさーっと目を通しておきたいと思ったケンジは、ユカの言葉を生返事で返しながら教科書をパラパラと流し読みした。
「キンコーン、カンコーン」
さーってと、学生の本文である学問モードに戻るかな。
とか言いながら、カバンから筆箱入れを取り出して、机の上に置きながら試験が始まるのを待った。
***
はー、やっと午前中の授業が終わったぜ。
試験があると、午前中の時間の進みが早いなあ。
さて、今日は食堂のうどんでも食べる事にするかな。
購買の菓子パンは、数が少ないので人気商品は終了のベルが終わると同時にダッシュで教室を出ないと残っていないんだよね。
昨日の件もあるので、あまり急な動きを取りたくないんだよなア、今日は。
さて、じゃあゆっくりとうどんでも食ってくるかー。




