どうした俺?
まったく、俺の兄貴は変な奴だよなぁ。
こんな変な機械を渡して後は宜しく、だもんなあ。
今日は都心まで遊びに行ったから疲れちまった。
今度都心に行くときは、モモとデートだあ…
さて飯も食ったし、明日の準備をしたら風呂にでも入るかな。
明日からこの変な機械を付けたまま授業を受けなきゃいけないんだもんな。
なるべく目立たないようにしないとな。
気配を隠すのは授業中は得意だけど、昼休みは騒ぎたくなっちゃうからな、気を付けないと。
プルンプルン、
プルンプルン。
色々と明日の予定を考えていたら、兄貴から連絡が来た。
「ケンジ、まだ起きてるかい? ちょっと聞きたい事があるんだけど、今大丈夫?」
「おう、兄貴どうしたんだいこんな時間に?」
まだ研究室にいるのか、まったく研究好きだなあ。
なんだい、なんだい、何があったんだい。
「今日、研究室から帰った時になにか変わった事は起こらなかったかい?」
「例えば、一瞬気を失ったとか、この間言っていたみたいに、自分の体が自分では無くなったみたいな、そんな感じになったなんて事はなかったかい?」
えー、いきなりそんなこと言われても、覚えてないよなぁ…
昨日食った夕飯のおかずなら覚えてるけど、兄貴の所から俺んちまで帰って来る間の出来事なんて覚えてないよ、普通は。
過去のことは振り返らない、未来のこともわからい。
俺は今を全力で生きるんだーー!ってな。
「そうか、覚えてないのか…まあ、なら良いんだ。また、何か思い出したら、連絡くれよ。じゃあ、おやすみ」
ぶちっ、
ぷー、ぷー、ぷー。
まったく、俺の兄貴はせっかちだなあ。
さて、風呂にでも入って来るかぁ。
と思って、タオルを持った瞬間、突然体が動かなくなった。
…
「おいおい、これはちょっとやばいんじゃないか?」
力の限り踏ん張っって、体の何処でもいいから動けー!と念じたのだけど、指先一つ動かないでやんの。
でも、呼吸が苦しくなるわけでもないので、全身が硬直しているという訳でもなさそうなんだ。
なんて言うのかな、単純に力が入らないだけな感じなんだ。
でも、体自体は力なく部屋の床にペタンと倒れこむ訳でもなく、タオルを持った状態でポーズを取っているみたいなんだ。
外から見たら、「なに体固めてるの?」とか言われそう。
ほら、良くパントマイムのお兄さんが、人形のように固まっていて、誰かが近づくと、突然カクカクと動いて、近づいたお客さんをビックリさせる、あれ、だよね。
頭は冴えているのに、体に司令が飛んでいない感じなんだよね。
やべーぞ、どうしよう。
もしもこのままだったら風呂入れないじゃん、てか、もっと大事なのは明日の学校休まなきゃ行けないじゃん。
確か明日は大事なテストがあるから死んでも来いって、数学の先生言ってたもんあああああ。




