助手のハナコさん
「どうしたの、タクヤさん?」
助手のハナコさんも、タクヤさんが珍しく興奮しているのを見て興味津々の定で身を乗り出して来た。
ハナコさんは、秋の学会に向けて私たちの研究室の研究資料をまとめているところだった。
私が属している研究室は、脳の活性化位置をリアルタイムで測定し、その時の状況に対して最適なフィードバックを与えるにはどうするか?と言った研究を行っているんだ。
そのために、脳NMRや脳磁気診断装置と言った大学病院で使うような大規模な診断装置も所有している。
当然、そんな一台数億円もするような大規模な診断装置は大学の研究室レベルでは購入する事が出来ない。
だから、政府の研究機関と協力する形式にする事で、国立の研究所で購入してもらった機械を無償で借りる形を取っている。
この研究は、将来的にはうつ病のように精神的に参ってしまった人達を助けるためには、どの領域に対して外部刺激を与えれば症状を和らげることが出来るかを知るための、大事な基礎研究と位置付けられているんだよね。
そんな事もあって、定期的に学会での状況報告が義務付けられている。まあ、スポンサーには逆らえないという処かな。
私的には、多分脳の活性化分野を調査してフィードバックするなんて言われちゃうと、バーチャルMMOみたいな、完全な仮想空間への扉になると思っている。
多分、大手ゲームメーカが井の一番に手を挙げて研究結果を欲しがるんだろうなあと思っているけどね。
タクヤさんは、今はこのリンク実験に夢中になっているので、研究室の通常実験とその研究資料のまとめはハナコさんの手腕にかかっている。
ハナコさんは大学院は別の大学だったけど、教授の講演会に出席して研究内容に感化してしまい、半ば強引にこの研究室に居ついちゃった感じだ。
私の中では、押し掛けお姉さんと密かに呼んでいる。
まあそんなこんなで、研究室の実験装置と試験状況は研究室内の誰よりも把握しているから、適材適所かな?と密かに思っているんだよね。
確かに頭は良いし良く気が付く人で、俗に言う「才女」とはこういう人を指すのだろうなあ。
ただし、決して冷たい人では無くて何かのイベントがあると手料理を作ってきて研究室で小さなパーティを行ったりするんだ。
それに実はおっちょこちょいな部分もあって、、、おっとそれは個人情報になるのでこれ以上は語れないかな。
「ハナコさん!。もう、もう、大変なんだよ」
院生のケンイチロウ君(あ、これは、ケンジの兄である私の名前)が連れてきた被験者は、大当たりだと思うよ。それこそダイヤモンドの原石だよ、これは!!
「ここまで頻繁にリンクのON・OFFが頻繁に起来ている被験者は初めて見た!」




