魔術修行!?厳しいモナの魔法授業
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
前回から趣向を変えて短めで更新頻度を上げています。
よろしくお願いいたします。
村に騎士と盗賊が攻めてから数日が立った。
俺は、今も罪悪感が拭いきれずにいた。
何もしないと落ち着かないので畑仕事や復興を支援していた。
「いつもすまないねぇ」
農家のおじさんが気を利かせて昼食を持ってきてくれた。
この村の人たちはみんな優しく、誰もあの日の事を責めなかった。
「…俺にはこれぐらいしかできないですから」
「…あの日の事をまだ気にしているのかい?あんたは良くやってくれたよ」
…あの日の事は思い出したくない。
あの後、落ち着いたモナを連れて村長のおばあさんに会いに行った。
「…あの騎士たちは何者なんですか?」
「彼らは、オリンポス聖教会の教会騎士です。この村から少し進むと、首都ライバースがあります。そこの領主様はオリンポス教徒で、王都の騎士を使い首都内はもちろん、周辺の村まで圧政を強いています。…私たちは領主様に反発していたので強行されたのでしょう」
村長は不安そうな目で他の農村の様子を見ていた。
俺に力があれば救えたかもしえないのに。
村長は枯れた花壇に腰を据え、さらに話を続けた。
「…領主様は、ある日を境に変わられた。昔は病弱で自分と同じ苦しみを味わっているものには手を差し伸べてくださった。それが、数年前に憑りつかれたように人が変わり民を力で統一しようと言い始めたのです。」
そう言って溜め息をついた村長は枯れた花を寂しそうに見つめていた
その時、俺にできることを考えた。領主の説得?教会を倒す?
部外者の俺にはどうしようもない。そして俺は目の前の村の復興を手伝うことにした。
そうして、数日間の復興も順調に進み今では農作業や家屋は立て直すことがて来た。
作物は時間がかかる。これからが正念場だが、ここは農村。皆いつも通りの生活に戻ることができた。そして、俺は…。
「…モナ。頼みがある。俺に魔法を教えてくれ」
俺がモナに助けてもらった森の隣の水辺。
水汲みを一緒に行っていたモナは作業の手を止めた。
「…私が?」
モナは驚いたように目を丸くして聞き返した。
俺は黙って頷くと了承したのか、ニコッと笑った。
「…私の修行、厳しい」
俺たちは水を村に運ぶと世話になっている農夫に事情を説明し休みをもらうことにした。
すぐに、元居た水辺に戻り修行が開始された。
到着すると、モナがすぐに振り返り問いかけた。
「…まず、名前。どうする?」
何のことかわからず首を傾げると俺の肩にいる白イタチを指さした。
確かに名前は考えてなかったが、なんで今?
「そうだなぁ…。サフィなんてどうだ?俺を助けてくれた時の眼が蒼玉みたいだったのを思い出したんだ」
「…サフィ」
モナは背中のイタチに呼びかける。
「ピュゥイ!」
返事をするように声を上げた姿を見るに気に入ったようだ。
モナも嬉しそうに「…サフィ」と連呼していた。
「じゃあ改めてよろしくな!サフィ…」
カプッ
…手を近づけるとやはり噛まれてしまった。本当は名前気に入ってないのか?
そんなこんなで修行が始まった。
最初に魔法の基礎について教えてもらった。
モナは自然の力を借りて、操ることを得意とするらしい。
例えば、水がないところでは水は生み出せないし、風がないと強い風は起こせない。
特に、砂漠や洞窟は戦いにくいらしい。
さらに、魔法の基本は魔法陣で魔力を伝える媒体が必要らしい。
モナは杖を使って魔法陣の代わりにしていて、大樹から作った珍しいものだそう。
俺は魔法陣も媒体もなく魔法が使えたので不思議なのだとか。
「…魔法はイメージ。炎をイメージして」
俺は前回と同じように手を前に出した。
すると、火種がまた現れた。だが赤い普通の炎だ。
「ピュゥイ!」
前回と同じく、サフィの鳴き声に呼応するように火は大きくなる。
だが、その炎はメラメラと燃え上がる紅炎だった。
「…キレイ。魔法は身体の一部。…動かすのもイメージ」
俺は炎が大きくなることをイメージする。
そして、イメージ通り炎は大きくなる。いや、大きすぎる!?
「…消化!」
ジュゥゥゥ!
大きくなりすぎた炎にモナは川の水を頭から大量にぶっかけた。
火は消えたが俺もサフィもビチャビチャだ。
「…ぷっ、ふふ」
その姿にモナは耐えきれず吹き出したようだ。
サフィも体をブルブル振って水気を飛ばす。俺は風邪をひきそうだ。
…やはり、イメージと言っても難しい。調整しないとダメだな。
それから、幾度となくチャレンジ、消化、ファイア、消化の繰り返しで、毎日のようにずぶ濡れになったがコツを掴んできた。
炎の出力の調節。飛ばすことも出来た。モナには感謝だな。
しかし、気掛かりなのは何度イメージしても蒼い炎は作れなかった。
あれは、何だったのだろうか?
「…魔王様、天才。…覚えるの、早い」
「モナが教えてくれたおかげだよ。毎日ずぶ濡れだったけど」
俺は、いつものようにモナの頭を撫でた。
修行の間も、村の手伝いをしたり遊んだり忙しかったろうに
俺たちは一通りの修行を終え、村に戻り復興を本格的に行った。
モナの魔法や俺の炎も役に立ち、村にはいつしか笑顔が戻っていた。
村長も世話になっている農夫も喜んでくれている。
一番の収穫は…
「兄ちゃんたち、帰ってきた!また、あれ見せてくれよ!」
俺とモナの周りに子供たちが集まってきた。
そう。俺たちの魔法は子供たちに大人気で、俺の炎は特に人気があるようだ。
炎を操る魔術は珍しく村のみんなも見たことがないらしい。
人気になるのは気分が良くて何度か調子に乗って屋根を燃やしたりしたことがあった。
それでも、村の人達は笑顔で許してくれる。後で、自分で修理しました。
自分の居場所ができたようで嬉しかった。
そして、前にも同じことを思ったことがあった。ベルゼ…みんな何してるかな?
ほのぼのとしたした生活を送り忘れていたが、俺は魔王で城を抜け出してきたんだった。
…あっ、トリーナ大丈夫かな?
その頃のトリーナは、レヴィに何時間も説教されていたらしいがそれを知るのはまだ先の話。
「キャァァーーー!!」
村の入り口から叫び声が!
最近は、盗賊も現れず静かだったはずだが…。
「…魔王様!」
様子を見に行きたそうなモナを見て静かに頷き、俺は子供たちを家の中へと非難させた。
今度こそ守ってみせる。同じ過ちは繰り返さない。
俺も遅れてモナを追いかける。
追いつくと、目の前には前回と同じ教会の騎士が立っていた。
中心には軍服の鋭い目の男。また来るとはこういうことか!
騎士たちは家屋を荒らし、畑を荒らしていた。
さらに、俺の目に飛び込んだのは倒れた少女の姿だった。
「…モナ!!」
俺は、すぐさま駆け寄り抱き上げる。
困憊した顔に服もボロボロで傷だらけだ。
俺が遅れてきたばかりに…
「…魔王、さま。…負けちゃった」
必死に笑顔を作ろうとしているが、悔しさで涙を流していた。
モナも決して弱くはない。それどころか魔法は冥界1。
前回もそうだったが、あの騎士たちには何かある。
俺の拳が届かない頑丈な鎧。魔法も弾くとしたら?
「フフフッ。またあなたか。今回も面白いものが見られそうだ。」
笑いながら前に出てきたのは軍服の男。
何やら楽しそうに俺たちの姿を見ている。
「…それはこっちのセリフだ。また、お前か。モナもお前がやったのか…」
俺は不敵な笑みを浮かべる顔を睨みつけ、怒りがこみ上げる。
「さぁ?どうでしょう。…だとしたら?」
安い挑発だ。俺を煽るのが見え見えだが、それを流せるほど大人ではない。
俺の怒りは膨れ上がり、まさに豪炎のように燃え滾る。
その刹那、俺の周りに炎の壁が立ち上り軍服の男を威嚇する。
それに簡単に反応して後ろへ飛び引く姿を見て俺は立ち上がる。
「…お前たちを倒す。そしてみんなを守る!」
俺の決意の言葉を鼻で笑い返す男は、周りの騎士を呼び寄せ間に割り込ませた。
先にこいつらを倒せということだろう。
俺はモナを木陰に移動させ、戦いの炎を燃え上がらせた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
修行の内容や描写は今後もカットする場面が多いです。
もし、気になるという意見があれば更新しますので言っていただければと思います。
これからも、よろしくお願いいたします。




