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異界突入!?さらに魔王殺害疑惑

初めまして。黒砂糖と申します。

この作品は初作品になりますので至らぬ点があるかと思います。

まずは、週3回(月、水、金)の更新を予定しております。

よろしくお願いいたします。

俺は学校が嫌いだ

毎日、クラスメイトや周りからいじめられるからだ


理由はわかっている。このみすぼらしい身長160㎝、体重90㎏のチビデブな体格。

ゲームオタクの引きこもり。格好の標的である。

最近は学校にも行かず、ゲーム生活の毎日


でも、今日は学校へ行く日だ。テストがあるから

今は、高校1年目の大事な時期。テストだけでも出席して留年を避ける必要がある。

これ以上はいじめの種を増やしたくない。


実際、テストではそれなりの点数は取れている、

学校側も親のいない俺に同情してテストの点がいい間は大目に見てくれている、

だが、いじめについては何も言わない。大人なんてそんなものだ。


気付けば、学校までの道は誰にも会わないような道を選択している。

そのかいあって学校に着くまでは同級生とすれ違ったことはない。


登校中、いつも通りの道も違和感があったのは家から学校までのちょうど真ん中ぐらいだった。

いろんな噂のある古い屋敷の前、近隣の住民は気味悪がって周りを避ける。

俺にとっては好都合。学校までの最短ルートであり条件も満たせている。


学校まではギリギリだが、だれにも会わないためにはこれも作戦である。

決して寝過ごしたわけではない。

後は、屋敷の先を左に曲がれば学校が見える。

・・・?


「学校が…ない!?」


俺は誰もいない道でボソッと呟く

道を間違えたか?あの屋敷は見間違えるはずがないのに?


俺はすぐに来た道を戻り屋敷の存在を確認するため、回れ右をして元の道へ

!!


「屋敷がない!?いや、なくなっている!」


俺が戻った先にあったのは周りの柵のみを残し、漆黒の穴と化した屋敷跡だった。

パニックで周りを見渡すも人はいない。そういう道を選んでいる、当たり前か。

それにしてもおかしい。来た道も数十メートル先は真っ黒で先が見えない


落ち着こうと一度空を見上げる。人間困ったら上を向くのだ。


「なっなんだ…これ!?」


俺の目に飛び込んだのは気味悪く紫色に淀んだ空と、朝なのに活気のない黒く変色した太陽だった。

・・・そうか!これは夢だ!久しぶりの学校は目が覚めた後にもう一度向かうんだ!


ゴォォォ


現実逃避をしようとする最中、背を向けていた屋敷跡の穴からこの世のものとは思えない風ともうなり声とも取れる音にとっさに振り替える。


ゴォォォ


少し間を開けてまったく同じ音が体に響く。

間違いなく屋敷跡の穴から聞こえる。


俺は恐る恐る穴のほうへと近づきのぞき込む

・・・底は見えず、漆黒が続く。これが奈落というものか。

落ちないように少しずつ中の状況を確認するが、その時!


ゴォォォ


また、さっきの音が鳴り響くと同時に俺は落ちないように体に力を入れる。

しかし、その意味もなく足を踏み外し穴へ落ちた!

まるで背後から誰かに押されたようにドンッと穴に飛び込んだ。


落ちた瞬間、俺は身体をねじり上に向いた。とっさの判断で特に意味はない。

人間は危機に瀕したときに時間がゆっくりに感じるという・・・今だ。


いろいろと思い出が駆け抜ける。走馬燈というやつだろうか。

遠のく世界に手を伸ばしてみたが、届くはずもない。


その時、俺を見下ろす人影を見た気がした。最後に望むものを神は見せたのか?

その姿は学校で唯一の味方だった幼馴染のレイカだった…。

俺は無意識で彼女なら助けてくれるのではないかと考えていた。いつものように


~~~~~~~~~~


「うぅ・・・」


意識がはっきりしない。何があったのが覚えていないが、どうなった?

俺は起き上がり現状の把握をする。

どうやら家のベッドではないらしい


まず、天井、壁、青い炎のようなランタンが壁に複数。薄暗い。

どこかの部屋の中か?正面には大きな扉、背中にはこれまた大きく豪華な椅子。

そして、俺は何かに乗っているの。硬いような柔らかいような…


俺は手探りで正体をつかむ・・・。

少しずつ意識がはっきりしてくる。だが、わからない。俺は何に乗っている?


ゴゴゴゴッ


「・・・ッ!!」


突然、大きな扉が開き黒いフード付きのローブを被った謎の人物が現れた。

そして、手元の資料を見ながら近づきおもむろに話し始めた。


「・・・今回の報告ですが、あまり良い結果が得られず調査の続行を検討しております。今後の状態について少しでも良い結果が」


老人のような低く少しかすれた声で淡々と話し続ける。

資料に目を向けたままに話しているため俺には気づいていないらしい・・・

いや、まさか俺に報告してるわけじゃないよね?


「聞いておりますか?まお・・・さ・・ま??」


返答が返ってこないことに嫌気がさしてか、資料から目を離すと同時に俺のほうを見る。

目が合ってしまった。さっきはわからなかったが、フードの中は老人の男で、顔色は元からか、現状を把握してか青ざめている。

俺は苦笑いを返した。


「あっ、あなた!ここで何をしておるのですか!」


力いっぱい叫び、伸び切っていない右手で俺を指さした。

驚いたように手に持つ資料を震わせていた


「え!?いっいや、俺も何が…何だか?」


驚きの感情が俺にも伝ってしまい、自分の声が震えているのがわかった。


「そっそれより、あなたの下におられるのはまっ…まさか!!」


老人の表情がさらに青ざめていく。そして指の差す方向は少しずつ俺よりも下へ向いていく。

俺もつられるように恐る恐る視線を下へと下げていく。

さっきから乗っているこれか…?


右には、角のようにも見える兜のような・・・

前には、肩から伸びる腕のような・・・

左には、おしr、足のような・・・

まさか人を下敷きに!?


「なぜ、あなたは!!・・・倒れた魔王様の背中に座っておるのか!!」


「・・・ッ!!」


えぇ!?俺の下にいるの魔王なの!?

よりにもよって魔王を下敷きにして人と話してるのか!?


真偽を確かめようと老人の方へ目をやると、震えが収まる気配のない姿が目に入る。

どうやら、本物の魔王のようだ…


いや、まてよ?

本物の魔王ってなんだよ!そもそも魔王が本当にいるわけがないだろう?

そうか!思い出してきたぞ・・・。俺は屋敷跡の穴に落ちて、起きたらここにいたんだ。

つまり、これも夢だ!まだ夢から覚めてないんだ!

俺は必死に夢だと現実逃避をする(二度目)


「どうしたのですか?フェゴール」


扉の奥からキレイな女性の声が部屋の中へと響く。

すぐにその正体を現し、扉の中へと入ってくる。


美しい長い黒髪、透き通るような白い肌、ひときわ輝く宝石のように青い瞳

キレイだなぁ…外人さんかな?


そんなことを考えて彼女を見ているとフェゴールと呼ばれた老人の指さすまま彼女もこちらを向いた。キレイな顔がこちらを向くと、驚いたような表情で目を大きく開いた。

次の瞬間、同じ女性とは思えないほどの鋭い眼光と殺気を放ち飛翔するかの如く突撃してきた。

目にも止まらぬ速さで死を予感した俺は反射的に目を閉じた。


「お待ちください!アイギス様!」


老人、フェゴールの大声とともに目の前で手が止まる。

その時の風だけが俺を貫き現実の感覚、夢でない可能性が頭をよぎった。

そして、恐る恐る目を開けると首元には鋭利な槍が今にも喉元を貫かんと突き立てられていた。


「なぜ、止めるのです!私は父上の仇を取るのです!」


そう叫び、俺を睨む目は微かに潤んでいるのが見えた。


「アイギス様のお気持ちは良くわかります!しかし…見たところ、ただの人間!そのようなものに魔王様を倒す力などありましょうか。」


「しかし!」


フェゴールが必死に説得してくれようとしているが、その言葉も振り払うように槍を持つ手はさらに力を入れる。

もう当たっているのではないかと思うほどの至近距離までジリジリとゆっくり進む槍は微かに震えている。


「アイギス様、魔王様の安否はいまだ不明です。そのものに事情を聴かねば状況は悪くなってしまいます。」


「・・・ッ!」


そして、少しずつ槍に込めた力が抜けていくのがわかった。

フェゴールの必死の説得は、先ほどまでの老人とは思えない覇気のあるものだった。


そして、突き立てた槍を首元から離し少し下がって俺を睨む


「事情を・・・お聞かせ願えますか?」


俺は、夢なら覚めてくれと本気で願ったが叶わず。話は先へと進んでいく。

フェゴールが俺の下にいる魔王へと近づき俺は無理やりに降ろされた。


魔王の首元や腕を触り、脈を確認したのかそっと魔王から手を離すと首を横へ振った。

彼女からの殺意に満ちた視線を全身で受け止め、潤んだ瞳は直視することができなかった。


俺が、魔王を・・・?必死に記憶を掘り起こすが現状の把握には至らなかった。

フェゴールに促されるまま魔王の部屋を後にする。


扉を出ると、そこは王宮の廊下のような広い通路だった。

だが、青白く光るランタンや、柱の彫刻は不気味で差し詰め地獄の城といったところだ。


「ところで・・・ここはどこですか?」


俺は、気になっていたことを率直に聞いたつもりだったが二人は振り返り俺の方を見るなり目を大きく見開き唖然の表情と言わんばかりだった。


馬鹿にしているとも取れる、呆れた表情を見せ、彼女が口を開いた。


「ここって・・・冥界に決まっているじゃないですか。」


「冥界!?・・・つまり、死者の国ってことですか!?」


この質問に、彼女もフェゴールも否定しなかった。

呆れた表情からも当たり前の質問であることは容易に想像できる。


あぁ、俺は死んだのか。いつだ?確かに朝の学校へ行く時からおかしかった。

死んだ理由がわからないが、急性の病気で倒れたとかか?


「・・・あなた、ここがどこかも知らずに来たのですか?」


「あ、えぇ、はい。目が覚めたらあんな状態だったので・・・。でも死んだからここにいるんですよね?」


テンションガタ落ちの質問は気力がなく諦めムードだ。

だが、返ってきた返答は予想とは違うものだった。


「・・・?いえ、それはないと思いますよ?死者の方でしたら魂の形で門から入られるはずですから…。あなたは、見たところ肉体もあるようですし…」


俺の体を上から下へ目を往復させた彼女の顔は苦笑いだった。

死者の国でも俺の体はみすぼらしいようだ。

しかし、俺は死んでいるわけでもないのか?なんだかわけがわからなくなってきた。


「…アイギス様。そのものの言うことが本当であれば異界から来たのでは?」


「!!」


フェゴールの突拍子もない問いかけにアイギスの足が止まる。

確かに、冥界って言われてもしっくりこないが異世界って言われれば良くあるゲームの設定だ。現実的ではないが。


「あなたが、異界のものというのであればここがわからないのも納得がいきます。しかし、父上…魔王殺害の容疑が晴れるわけではありません」


彼女の鋭いまなざしは決意に満ちている。殺意はもう感じない。

これは、刑事ドラマばりの取り調べを覚悟するべきか。

冥界でもカツ丼でるのかな?


そして別室へ行った俺は元の世界のことや現状までの経緯を事細かに説明した。

途中、理解できていなさそうにリアクションを取る様子があったが真剣に聞いてくれた。

どれ程か説明を続けたころ、俺はある疑問が頭をよぎった。


「あの、今頃ですが、魔王が死んだ場合の魂はどうなるんですか?」


「・・・ッ!」


ガタンッ!

俺の質問を聞いた途端、ものすごい勢いで椅子から立ち上がるアイギス


血相を変えてフェゴールと話し始める。

すぐに電話のようなものを取り出し連絡をし始める。


「私としたことが、そんな根本的なことをあなたに教わることになるなんて!」


イライラと小刻みに地団太を踏み、まだかまだかと電話の返答を待つ姿から異常事態であることはうかがえる…。


さすがに気になった俺は、電話をしている彼女には話しかけられるわけもなく、慌てながら待機するフェゴールへこっそりと近づく。


「どうしたんですか?」


俺は恐る恐るできる限りの小声で現状の把握を試みた。


「あなたが先ほど指摘された魂については前例がないのです。

しかし、死者の魂は基本的にある場所へ運ばれるのです。」


「ある場所?」


俺が疑問に思っているとフェゴールがアイギスの方を見る。

どうやら電話がつながったようだ。


「私です。早急に調べてもらいたいことがあります。本日の門の監視についてです。」


立て続けに質問を繰り返す。俺は邪魔しないように静かに待機する。

疑問に思う単語がドンドン出てくるがここは全て聞かずに飲み込んだ

連続の問答の末、落ち着きを取り戻すアイギス。どうやら問題は解決したようだ。


「そうですか。ありがとうございます。それでは監視に戻ってください。」


静かに電話を下す彼女の表情はまだ疑問を払いきれていないという様子だった。

その後も、フェゴールと難しい話を続けた後、魔王の部屋へと視線を向けた。


「やはり、確かめる必要があります。もう一度、父上のところへ戻りましょう」


俺たちは、取り調べを中断し、魔王の部屋の扉の前へと戻った。

さっきはわからなかったがこの部屋、凶悪な彫刻に大きな扉。まさにラスボス感が漂った雰囲気だ。

先ほどと同じく、倒れた魔王の横たわる姿が…


「・・・ッ!!」


魔王の死体がない!?

大きな部屋の中心には大きな玉座。その前で倒れていたはずの魔王の姿は確認できない。

焦った二人は俺をそのままに部屋の中を見渡す。


「どうなっておるのだ。先ほどまで確かに…」


「誰かが持ち出したのか?」


「ありえません!この部屋には私たちを含む限られた者しか入れませんので」


慌てる二人を俺は見ていることしかできない。

部屋を一通り見たが確認は取れない。本当にこの短時間の間に消えてしまったのか?


「あっアイギス様!これを見てください!」


フェゴールが玉座の横にしゃがみ込み何かを見ている。

俺も気になって近づくがサラっと追い抜いたアイギスが先に駆け寄った。


「これは!!魔術の後・・・。まさか!?転移魔法を!」


何やら騒がしいが転移魔法と聞こえたな。俺もそれで送り込まれたのか?

いやいや、今は魔王を消したと考えるのが妥当か・・・。


少し後ろで聞いていると転移魔法の魔法陣らしき痕跡が残っていて魔王はどこかへ転送された可能性があるらしい。

それも、魔法陣跡が残るのは大きな力が働いたためであるらしく、それほどの力を使える術者は世界でも少ないらしい。


俺も真っ先に疑われ、何度も向けられた殺気に満ちた視線は少し慣れてしまったのか、特に気にならなかった。


そして、魔王殺害の疑いは晴れないまでも犯人が別にいるという見解で大きく話が変わった。

今は、真犯人を探すこと、俺の監視が必要になることが決まった。それともう一つ


「アイギス様。今後についてですが、魔王亡き今、代理が必要になるかと思います」


「そうですね。このことは可能な限り内密に進めるべきです。」


「そこで!この若者を魔王代理としてはどうでしょう?」


「「・・・ッ!」」


はぁ!?この爺さん、いったい何言ってるんだ!俺はただの高校生だぞ?


そりゃあ子供の頃は魔王にあこがれたし?

かっこいい魔法でなぎ払ったり

夢は見てきたがそんな現実離れの話は考えるほど子供ではない。


・・・取り乱してしまった。

続きを聞こう


「何を考えているのですか!フェゴール。このようなものに父上の変わりが務まるものですか!」


そうだ!そうだ!もっと言ってやれ!


「それに、こんな貧相で頼りない」


うんうん


「デb、ふくよかな体形で」


そこはデブでいいよ…


「戦っても足手まとい」


え?


「役に立たないゴミのような存在に」


そこまで言わなくても


「魔王が務まりますか!」


あぁ異界に来ても馬鹿にされるのか


「しかし、アイギス様。魔王様とアイギス様の父子関係、さらには魔王様のお顔ですら、私とアイギス様と限られた者しか知りません。彼の監視をするにしても身近に置くのが良いかと。」


「・・・」


不安そうな顔で俺を見るアイギス。

こんなやつに魔王をさせるわけにはいかないと思っているのだろう。

まぁごもっともです。


「・・・では、アイギス様、試練を課すというのはどうでしょう?」


「試練ですか?」


あぁ嫌な予感がする。こういう時は大抵、力を示せ、実力を見せろとなることが多い

アイギス様と戦わされるか、難題を押し付けてくるか。

こういう時についゲームの設定を考えてしまう。


「さようでございます。冥界の拷m、試練を乗り越えられれば合格、無理ならその程度の男ということでございます。」


ほらやっぱり!でも今、確実に拷問って言いかけたよね?

やばいな、おれ死ぬかもしれない…

高校卒業前に面倒な異世界の試練が舞い込んだものだ。


「・・・」


アイギスはジーッと俺を見たまま考え込み数秒の沈黙の後、軽く笑顔を見せた。

俺はその笑顔で試練が始まることを予感し、素直に喜べるわけもなく苦笑いを返すことが精一杯だった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この作品は、読者様に想像していただくために、長く説明されない内容が含まれています。

想像しながら楽しんでいただければと思っています。

以上、感想など貰えると助かりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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