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*抱きしめる※

 彼は時々、何の前触れもなくギュッと私のことを抱きしめてくることがある。寄りかかるように、支えが欲しいかのように、無言で。


 だから私も抱きしめる。彼と同じく黙ったまま、静かに。普段はハリネズミのように近寄りがたいのにその時だけは無防備な幼子みたいで、私はその頭や背中を撫でさする。


 それが適切な対応なのかはわからないけれど、不思議とそうしてあげたくなる。


 きっと何かあったのだろうけれど、何も言わないから私は何も言えない。訊くこともしない。私に言いたいことがあったらきっと彼から口を開くだろうし、落ち込んでいる時に根掘り葉掘り訊かれるのは私も好きじゃなかった。だからそこはそっとしておく。


 私がしているのと同じように彼に背中を撫でられる。より掛かられる内にその顔は私の胸に埋められていた。彼に鼓動を聞かれていると思うとより心臓がドキドキ脈打つ。


 背中を撫で回す彼の手の動きにいやらしさを感じ始めた時、私の視界が反転した。


 これまでも無言で抱きしめ合っているうちに押し倒され、なし崩しに身体を重ねてしまうことはあった。今回もおそらくそのパターンになるのだろう。


 身体を欲するのならば、それで彼の心が晴れるのならば、それでも構わなかった。彼の全てを包み込んであげられるような、そんな存在になれればいい。どんな形であれ少しでも力になれればそれでいいと私は思う。


 なんだか爛れているななんて思いながらも自ら誘うように彼の頬に手を添えた。




















END.

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