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えらばれし者達
こんな事になるんだったら………あの時に……
忘れておくんだった。
この話は10時間前にさかのぼる。
ある小さい街に一人の少年がいた。その少年の名は「アラン」身長は172センチとほぼごく普通の体型である。歳は16歳。見た目は今時の若者とは違い短髪にTシャツ一枚とだいたい薄着の格好をしている。
そんなアランの暮らしている街には不思議な事があり、この街で生まれた子供には「火、水、地、心」と言った特殊能力に恵まれるのである。4つの力から何が選ばれるかはわからない本当に不思議な力。また危険な力でもあり、決して世界からは喜ばれない力でもあった。
肝心のアランの能力と言うのは「心」であった。心の特殊能力とは別名美しい力と呼ばれており人の本意がわかる真っ直ぐな力でもあった。しかしアランにはその力を使う資格がない。なぜなら、アランには人間の優しさがわからないからである。