戦争は好きですか?
私、ルーフェンス・アナムラと申します。
実は隣国でちょっとしたことをしております。
「ルー君!あなたもこちらにいらっしゃいな!皆も一緒なのよ!」
そんなことを知ってか知らずか頭の中がお花畑なのかな?おかしな事を言っているのはマユと名乗る女だ。そしてその回りには5人の男がその女を取り合っている。バカにしか見えませんな
たまに女は私の仕事をわかっているように
「楽しい日々、壊れないといいな...ね?ルー君もそう思うよね!」や「たとえルー君がどんな運命であっても、自分の意地で決めて?誰かに命令されるとかじゃなくって」なーんて言い出す。それに男共もバカばかりだ。
「マユが呼んでるんだからお前も来い!」
「そうですよ、お前なんかを呼んでくれるマユの優しさに感謝するんですね」
「...別に来たくないのなら来なくていい、マユとの時間が減るのは嫌だ」
「はぁ、周りがうるさいので来たらどうです?」
「まぁまぁ、彼の意見も尊重しなきゃ駄目でしょう?」
上から第4王子マース、公爵家の末息子アート、騎士筆頭家の次男ケイト、商家の優等生ミハイ、王子付き従者のライトだ。中でも上三人は恋にうつつを抜かす馬鹿者だ。ミハイはコネを作るためと、気に入られているのなら逆手にとってと思惑ありの無気力。ライトはこんなやつのおもりには勿体ないくらい有能だ。ぜひ国に持ち帰りしたいくらい。
「すみませんが、私はやらなくてはならないことがあるのです。王様から頼まれた、大事なことです」
先手は先にもらいます。どうせマユより大切なことなんてあるのか!!とか言い出すのは目に見えてますからね
「それは重要ですね、ルーフェンス様、足を止めてくださいありがとうございました。」
「予定あるんなら仕方ないよね、ほら?」
ミハイは目で今のうちにいきなよといい、ライトはバカを押さえている。あの女が口を出す前にいかなきゃめんどくさいことになる。
「ありがとうございます。では」
早々に切り上げ歩く。後ろからまたぎゃいぎゃい騒ぐ声が聞こえるが気にしない。大体女性が原因出会っても男が取り囲むのはいったいどうなんですかな?ミハイとライトがいないともっと飛んでもないことになっていたと思いますよ。しかも上の三バカは婚約者持ちという、ね?ここは王宮だぞ、女官や貴族などの目があるのに平気な顔して浮気とか、信じられませんよ。
「失礼します。ルーフェンス・アナムラです。王様に呼ばれ、馳せ参じました」
「入りなさい」
謁見の間ではなく普通の客間である。あんなところで普通は話さないって。
「やぁ、まってたよ」
「ルイヴィ様もいらしてたんですね」
なかには王様と王妃様、第一王子殿下がいらっしゃいました。
「では早速本題に、これがあのバカのやらかした事件と起こすであろう事をまとめた書類です。正直、この事を自国に伝えれば戦争ものですね」
と言うと、みんな青ざめた
「ルーフェンス、してないよな?な?」
「あ、あのバカの処分も考えているし、他のバカも絞るから、大国相手に勝てるわけなかろう!」
「あらあら、私の甥が虐めてくるわ」
「相変わらず伯母様は暢気でいらっしゃいますね」
隣国、私の国は大国でとても栄えています。まぁ宰相家の次男が私であり、私の父の姉であるこの国の王妃は伯母様はに当たる。
留学としてこの国がまともであるかを観察し、父に報告する。そうしてこの国の存続が簡単に決まるというわけだ。まぁ、正直私の他にも優秀なものも入り込んでいると思うけど
「私はその事を国には報告しておりません。ただ、このままことが進めば最悪な事態で伝わるでしょう。というか、なんであの女が聖女?有り得ないんだけど、世界に報告しといてあのまんまとかこの国どうなってるわけ?まともな貴族も少ないし叩けば埃が沢山でてくるわ、正直見捨てたい気しかしなかったんですから、ルイが頭を下げて泣きつかなかったら報告してますね」
従兄弟として幼いときから仲良くしてきたから情けが出ただけだった。固くしゃべっていた口調が崩れたが特に気にしない。だっていつも砕けてるから。
「あの子おかしいったらありゃしないのよ?ルー君!ヒロインとか言って、自分が望むことが本当になるって信じて疑わないの」