表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説(夏)

作者: 戸塚うさぎ

私はツマと三人の子供を持つどこにでもありふれた父親だ。ツマとはろくに口も聞いていない。もちろんセックスさえない。子供たちは私のことをわずらわしく思っている。たまに口をきいてくれると思ったら金が目的だ。

もう今年で58歳。正直人生に疲れた。おそらくこれから先何も良いことなどないだろう。私はツマにも子供にも愛想を尽かされた。いつの間にか私もツマと子供に興味がなくなった。人生なんて苦痛でしかない。

そんな時だ。ツマが死んだ。交通事故だった。私は何も思わずただ涙を流した。あんなツマでも私が愛した人だ。忘れかけていた思い出が私の心を熱くした。子供たちは私より弱いと思って心配したがそんなことはなかった。子供たちは自分なりにこの現実を受け止めようとしていた。私は彼らに謝った。「お前たちを信じてあげられなくて悪かった」子供たちはどうしていいか分からない表情をしていた。私はそれでもいいと思った。信じられない現実を受け止めるだけで精一杯の彼らを私は影になってずっと見守っていこうと誓った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ