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 三十年前……世界各地で謎の建造物が現れ始めた。

 何の前触れも無く突然現れる塔に近い形をしたタワー型の建造物。

 塔により差はあるが、ビル十階建ほどの高さに淡く光る入口。そして、その入口には誰も入る事が出来なかった。


 外壁は見た事もない文字が彫り込まれ、その文字は頂上まで刻まれていた。

当時の学者が熱心に研究を重ねたが塔の発生理由は不明。内部にも入る事が出来ないため、研究は数年でほぼ打ち止めの形となった。

 様々な説が語られる中塔が現れた地域では観光に訪れる人々が増え、謎の建造物は“幸運の塔”などと地元住民に呼ばれていた。


 状況は一変する。


 塔発生から五年後……アメリカ・アラスカ州。


 塔の最上部が突如崩壊し、卵を割る様に一体の深紅の竜は現れた。

 体長は十五メートルほど。曇天の中、後光に照らされ現れたレッドドラゴンは鱗片(りんへん)を紅に輝かせ、静かに覚醒した。

 辺りは騒然。その事態を呆然と見守る市民を尻目に、レッドドラゴンはその身と同じ紅の業火で街を焼き払う。

 阿鼻叫喚(あびきょうかん)。まさに地獄のような光景であった。緑と雪に覆われたアラスカの美しい景色は瞬時に炎とマグマに覆われた火山地帯を思わせる風景と化す。

 そんな光景を意に介さず、レッドドラゴンは大きな翼を広げ、悠然と飛び立った。

 レッドドラゴンは方角をユーラシア大陸に向けて飛行。次の被害は北アジアか東アジアだと予測された。


 この緊急事態に、アメリカ政府はレッドドラゴンを武力制圧する決断する。

 『白銀の世界を悠然と飛ぶ深紅の体は息を呑むほど美しく、撃つのを躊躇った……』と当時のパイロットは語った。

 それでも、大統領令。任務は遂行される。

アメリカ空軍の正義の鉄槌(いっせいしゃげき )により、レッドドラゴンは雪原に散った。


 政府は“山火事である”と隠蔽(いんぺい)を図ったが、目撃者が多数存在したため全てを隠しきることが出来なかった。

 現世に現れたドラゴン。余りにもファンタジックな話しに信じる者、信じない者と世界中を賑わす大ニュースとなった。

 この一件により、世界中数十カ所に存在する塔周辺は危険地帯として立ち入りが制限された。

 塔はダイナマイトの爆破解体にも耐え、如何なる攻撃にもびくともしなかった。


 そんな中、数名の軍人が光の中に侵入する事に成功する。

 六時間後、一人の軍人が出てくる。全身は傷だらけ、その表情は狂気に目を見開き、顔はやつれ、手にはいくつかの装飾品と鉱石を持って帰って来た。

 生還した軍人の話によると『塔の内部は恐ろしい洞窟に繋がっていて、体感で五日以上、装備していた武器は数回の怪物との戦いで使い物にならなくなり、仲間は次々と死んでいった』と語った。

 手にしたアクセサリーの事を尋ねると、向こうの世界で手に入れた“武器”であると軍人は語った。腕輪や指輪に見えるアクセサリーは、向こうの世界では鎧や剣に変わる重要なアイテムであると……。


 しかし、そんな話は誰にも信じてもらえぬまま数時間後に軍人は死亡した。


 その後、世界中に乱立する建造物は【ダンジョン】と名付けられた。

 突如出現するダンジョン。ゲートを潜れば予想もつかない場所に飛ばされ攻略するまで消える事は無い。

 精巧に作られたアクセサリーの数々は【アーティファクト】と呼ばれ、研究の対象となった。希少金属を含み、謎の加工技術によって洗練されたデザインに奇妙な文字の刻印。

 そんな、死と隣り合わせの危険なダンジョンに潜入する事が出来る人間。彼ら彼女らは【ダンジョンウォーカー】と呼ばれ世界中に乱立するダンジョンを今日も攻略する。

読んでいただきありがとうございます。

こつこつプロット通りに書き進めていきます!

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