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クラスメイトとデスゲーム  作者: 奏 秀太
9/21

恐怖心




バラバラになった蜘蛛の死体を乗り越え、真っ黒の戦闘服の心美が自分の身長と同じくらいのライフルを担ぎ幹彦の元に駆け寄って来た。



「なんなんだろうね、こいつら。」


「間違えなくモンスターと呼ばれる奴らだろ?他に考えようがないな」


「だね」


「あぁ、それにデザートイーグルを糸で止めた、普通の蜘蛛には不可能だろう」



心美は考え込む様なポーズを取る。


「まぁ、考えてもしょうがない。帰るか」


心美は幹彦のほうを振り向き笑顔で応える


「うん!」




その後、雫の所に幹彦と心美は向かい先の戦闘の報告に向かった。そして雫からはある画面を見せられた。pt画面だ。敵を殺すか、校舎を占拠するか、破壊するか、そしてモンスターを殺すか、それによって獲得する事ができるptだ。

先の戦闘で得た1750ptに加え、600ptが増えていた。


「一体で100ptかなり高ポイントよね…」


雫が、真剣な面持ちで言う。


「でも、あまり手応え無かったけどな…」


「そりゃ、幹彦君と私が殺ったんだから当たり前じゃない?」


「それもそうか」


幹彦はそれで納得した。


「まぁ、詳しい話は後でするわね。二人とも今日は訓練もやらないから部屋で休んでてちょうだい」


「わかりました」


「了解でーす」



黒い戦闘服の二人は仲良く部屋に向かった、はずもなく、二人は武器庫に向かった。

目的は銃を元に戻すのだ。銃の弾は毎晩12時に勝手に装填される。装填の条件は武器庫内になければならない、それだけだ。



武器庫についた幹彦と心美はバレットM82とデザートイーグルを元の位置に戻し、別のバレットM82とデザートイーグルを取り出す。

その理由は単純明快だ。いつモンスターに襲われてもいい様に臨戦態勢を整えているのだ。

本来、武器の携帯は禁止しているが生徒会の特権+軍人の特権で俺と心美は武器を携帯すること許されている。


幹彦は常にデザートイーグルを2丁携帯し、心美はバレットM82を部屋に置き、サブマシンガン(MP7A1)を携帯している。

幹彦と心美は今回の教訓を活かし、マガジンを携帯することに決めたのだ。


二人はかつては自分たちの学びの教室を横目に通り過ぎ生徒会室の隣、俺たちの部屋についた。

ドアを開けるとき、幹彦はこう心美に問いかける。


「心美、さっきの蜘蛛を見たときどう思った?」


とても暗い声、いや、重い声で幹彦は問う。


「どうって、気持ち悪かったけど…」


「そうか、わかった」


心美は首を傾げる。


「どうしたの?」


「いや、なんでもない」


そう言って幹彦と心美は部屋に入って行った。

幹彦は黒い戦闘服のままベットに潜り込んでしまった。いつもなら着替えてから眠りにつく幹彦にしては珍しい。それを心美も感じ取っていた。


「幹彦くん、さっきっからどうしたの?」


戦闘服を脱ぎ、下着姿の心美が問いかける。


「さっきの…さっきの蜘蛛と正面から向き合った時正直怖かった…怖いって思ったのは久しぶりだったんだ、その恐怖心が今でも頭から抜けないんだ」



ベットに潜りながら、震えた声で幹彦は答える。



「そっか…」


そう言うと心美は幹彦のベットに腰掛け、幹彦の手を優しく握った。

その手は小刻みに震えていたが、次第に落ち着きを取り戻していった。


幹彦はそのまま眠りにつき、心美は制服に着替え終わっていた。やる事が無くなってしまった心美は考えることもせず天井を見つめていた。依然、幹彦は熟睡中だ。

暇でしょうがない心美は好奇心で、暇つぶしの一環で幹彦の寝顔を覗いて見ることにした。


(幹彦君、どんな寝顔しんてんだろ)


軽く舞い上がっている心美は足音を立てずにゆっくり近づく。そして、幹彦のベットについた。

そしてゆっくり幹彦の顔を覗いた。その瞬間幹彦とバッチリ目が合った。


「あ、おはよう幹彦君」


「おはよう心美、何やってんだお前」


「いや、その、ちょっと覗いてみようかなーって…」


「ほう、俺が睡眠を邪魔してまでか?」


「いや、バレないかなーって」


「俺が軍人って事忘れてないか?」


「いや、忘れてないよ⁈」


「そうか、少しお仕置きが必要だな」


「え?」


幹彦は心美の首に手を掛け、自分のベットに引き寄せ、ベットに押し付ける。体制的に心美が下、幹彦が上って事は言わずと分かると思うが。

そして心美の両手を捕まえ、心美の頭の上で組み、押さえつけている。

そして、心美に顔を近づけニヤリと笑う。


「ちょ、ちょっと待って幹彦君!こうゆう事はもっとお互いを知ってからって言ってたよね⁈ね?ちょ、幹彦君?聞いてる⁉︎」


完全に目が座っている幹彦はゆっくり心美に顔を近づける。心美は完全に目をつぶり諦めていた。

幹彦はゆっくり、心美の胸に手を伸ばし、その手を真横にスライドさせた。そして心美の脇をくすぐり始めたのだ。


「キャハハハハハハッ、ちょ、幹彦君くすぐったいって、キャハハハハハハッ」


その言葉を無視しくすぐり続ける。


「キャハハハハハハッ幹彦君、もう、本当に死んじゃうって!」


かれこれ5分くすぐり続け、ようやく幹彦は心美の手を離した。心美は制服を乱し、完全に伸びている。

そんな心美を幹彦は肩に担ぎ上げ、心美のベットに運搬する。幹彦は自分のベットに戻り、真顔で心美を見ている。いや、観察している。



心美は10分ほど動かず、伸び切っていた。そして復活した心美は幹彦を睨む。


「幹彦君、なかなか悪い趣味だね、女の子を拘束してくすぐるなんて」


半ギレの心美がそう投げかける。


「でも心美、意外と受けの体制だったよな?もしかしてMっ気があるのか?」


「はぁ?そんなわけないでしょ!バカッ!」


「まぁまぁ、怒るなって。俺もやり過ぎたと思ってるよ、悪かった」


「本当に悪いって思ってる?」


「あぁ」


「じゃあ私のお願い一つだけきいて」


「構わないが?」


「じゃあ…キスして」





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