告白
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帰投後、幹彦と心美は歓声に包まれ…る事は無かった。全校生徒ドン引きだ。
そりゃそうだろう。人間離れした男と人の体を吹っ飛ばす力を持つ対物ライフルを容赦無く打ち込む女が目の前に立っているのだ。普通、話しかけたくないし、距離を起きたいだろう。
そんな事をよそ目に幹彦は雫の所に向かう。
「敵の司令本部の占拠及び、破壊完了しました」
「ご苦労様です。では、作戦を終了します」
「「はっ」」
幹彦と心美は同時に敬礼した。
俺と心美は自室で制服に着替えていた。もちろん俺はシャワールームで着替えている。
「心美着替え終わったか?」
「うん、もう平気だよ」
俺はベットルームに向かう。そこには制服に着替えたはずの心美がピンク色の下着姿をしてこちらを見ていた。
「何してるんだ、心美。着替えたんじゃ無かったのか?」
「うん、私の格好はこれでいいの。いや、私を見て」
心美のスタイルはとてもいいと俺は思う。胸だって中々あるし、足もとても綺麗だと思う。そんな心美を俺はしばらく見つめていた。
「これで満足か?」
「満足なわけないでしょ?幹彦君」
そう言うと心美は抱きついてきた。
心美と幹彦の身長差は10センチ程度だ。
心美は現在俺の胸板に顔を埋めている。
俺も女性経験が無いわけでは無いが、今のところ童貞だし、こんな時どうすればいいかわからない。優しく抱きしめればいいのか、説得して引き剥がすか。そんな事を考えているうちに心美が口を開く。
「幹彦君。さっきの戦い、すごかったよ。かっこよかった。私も発達眼を持ってるけど、そんなの関係なく、人間離れしてたよ。すごくカッコ良かった。」
「あぁ、ありがとう。心美もいい狙撃だったぞ」
「うん。それでね、幹彦君。聴いてほいしい事があるの」
「なんだ?」
「あ、私ね、幹彦君のこと…」
その瞬間ドアが開いた。
「あ、ごめんなさい。お邪魔しました〜」
雫さんだ…別に言い訳する気は無いが心美の名誉のために雫に弁解しなければ。
「悪いな心美、雫さんに話をつけてくるから。制服着ておけよ」
「うん、わかった」
そして俺は雫さんの所に向かう。経緯を説明し少し苦しい言い訳をした。
心美はある事に悩んでいた。幹彦に対する自分の気持ちだ。心美は幼い頃から軍隊に居たため、恋をしたことが無い、故に恋心を知らないのだ。
普通の人なら経験があるだろう。恋でよくある、胸が痛むアレだ。
「はぁ〜なんなんだろ、この感情。これが好きってことなのかな?でも幹彦君私に興味なさそう…私の下着姿見ても微動だにしなかったし…」
「そんなこと無いぞ、心美はいいスタイルしてるし、可愛いぞ」
後ろには弁解し終わった幹彦が腕組みをして立っていた。
「ひゃぁ!み、幹彦君!いつからそこに⁉︎」
「少し前だが?」
心美は顔が真っ赤だ。そしてうずくまってしまった。
(はぁ、仕方ない。慰めてやるか…)
幹彦はうずくまった心美を優しく抱きしめた。そしてこの時、心美は決心していた。告白の決心だ、普通に考えて早すぎる、だが、現在心美や幹彦が置かれている状況を考えれば明日生きている保証も無い。早い方がいいに決まっているのだ。
「幹彦君、私、あなたの事が好き。」
「あぁ、ありがとう心美、だが、君の気持ちには答えられない」
「うん、わかってるよ。幹彦君、私に興味無いもんね…」
「いや、そんなことは無い。俺だって感情は持ち合わせている。心美は可愛いし魅力的な女性だと思う。だが、戦場で恋人を守る自信は俺にはない。俺がもっと強く、心美を守れる男になった時、心美の気持ちが変わってなければ今度は俺の気持ちに答えて欲しい」
ある意味幹彦が心美に告白した瞬間だった。
「はい」
心美は満面の笑みでそう答えた。
翌日からは自由参加の訓練を開始することになった。これは俺や心美、雫さんを筆頭とする生徒会の意向でもあるが約、3分の1の生徒からの要望でもあったのだ。
基本的に射撃は心美に任せた。俺は体術の方が得意だし、体術なら言葉要らずでも教えることはできる。
俺はベンチで射撃訓練を見ていた。的は今ではいらなくなった教科書を鉄棒に吊り下げただけの簡単なものだ。
心美がまず手本を見せる。見事な射撃だ百発百中。完璧だ。次に一般生徒が射撃を行う。
なんとも言えない。微妙だな…
中には良い腕をしている奴はちらほらいるが、ほとんどが微妙だ。
これは鍛えるのに一苦労しそうだな、心美が。
そんな事を考えている時、突然警報がなり、雫さんの声が聞こえる。校内放送だ。
「幹彦君上よ上!」
俺は何が起こったのかわからなかった。そして上を向くと8足歩行で糸を吐く奴が空から降ってきたのだ。
そうだった、俺たちの敵は人間だけではない。モンスターもいるのだ。