心美の恋心
千葉心美:特殊作戦立案部隊実行班副班長
階級:大尉
特技:超長距離狙撃
作戦呼称:サウザンドハート
「え?は?どうゆう事ですか⁈副班長って!てか、千葉心美大尉?え?なんなんですか?」
俺は取り乱してしまった。千葉心美が軍人である事と俺の班では部下だったとゆうことにだ。
「説明不足でしたね。実行班副班長配属予定の千葉大尉です。」
「なるほど…副班長は空位でしたからね…」
「まぁ、ここでは関係のないことよ、宜しくね、幹彦君?」
「あぁ、宜しく頼むよ、千葉」
「もーー、前から言ってるじゃん心美でいいって!」
「………」
俺は黙り込む。黙殺だ。
だが、少佐が横槍を入れてきた。
「はいはい、そこまでよ二人とも。自己紹介終わったなら司令室に戻らなくちゃね半蔵君と哲君がまってるんだから。」
「承知しました、少佐」
「うわぁ、堅苦しい…」
千葉がボソッと呟いた。だが、俺は前だけを、少佐だけを見ていた。
司令室に帰ると二人が事後処理に追われていた。武装の解除、及び武器庫への収納、爆弾の撤去など色々とこなしていた。幸い、全て終わったらしく俺らの出る幕は無いのだが…
「あ、会長!お待ちしていましたよ。どうするんですか?生徒達の泊まるところは?男女混合はまずいですよね?」
そう投げかけたのは哲の方だ、半蔵先輩はただ見ているだけ。
「ん〜そうよね〜どうしましょう?」
「俺に聞かないでくださいよ…」
哲が困った顔をしている。そこに助け舟を出したのは半蔵先輩た。
「先ほどの戦闘で勝ち取ったptで設備増強なんてどうだ?設備の一覧を見たが宿舎もあったぞ」
「なるほど、その手があったわね」
「なら今すぐにでも手続きを始めよう、生徒達の苛立ちも半端じゃ無いからな」
「そうね、皆疲れているものね…」
そう言って会長はパソコンに向かう、そして宿舎の購入手続きをする。そしてその変化は直ぐに現れたのだ。
青い閃光が校庭を一瞬にして包む。だが、変化はなかった。
「なにもありませんね…」
「かいちょー、ぼったくられたんじゃないんですか?」
「だ、大丈夫よ!きっとそのうち出てくるわ!」
焦る会長、そこに突っ込んだのは哲だった。
「大丈夫ですよ会長。宿舎は地下に設定されています。宿舎兼シェルターですから。」
「あ、そうなの?私、機械に強くないからさ…」
嘘つけ…恐らくこれは俺と千葉の共通認識だろう。
「では早速収容を始めますね。」
部屋割りは基本自由にした。4〜8人部屋になっているようだ。ただ、そこで一つの問題が起きたのだ。
俺たちの部屋が無いのだが。なぜか?宿舎は校舎の地下にあり一つの宿舎に600人収容可能なのだ。宿舎は2つ用意したので1200人収容可能だが、1205人の生存者がいるわけで5人は溢れるのだ。そしてその五人が俺たちのなのだが…
「どうします?俺たちの寝るところありませんよ?」
俺はそう切り出した。それに続き哲も半蔵先輩もこう続く。
「最悪、生徒会室改装するのもありですよね?」
「構わないがベットはどうする?それに男女別にするのだから部屋の仕切りも必要だ。」
そこで不謹慎な女性陣が爆弾発言をする。
「別に一緒でもいいわよ?ここちゃんも大丈夫よね?」
「ぜーんぜん問題無いですよ!」
マジか…軍隊でも男女は別だろ…そう思ったが特殊作戦立案部隊は別なのだ。男女同じ部屋で寝泊まりは当たり前だし。同じ部屋で着替えるのも当たり前だ。特殊作戦立案部隊はその特殊性からモルモットにされることが多い。
実際に身体をいじくり回されることは無いが、色々なパワードスーツに着替えることもある。そのせいか、羞恥心が多少だが欠陥しているのだ。
「いや、それはまずく無いですか?色々と…ね?幹彦君?」
俺に振るなよ哲…仕方ない、ここは男女別に賛同しとくか。
「俺は男女別の方がいいと思います。俺と半蔵先輩は理性を保つことができると思いますが、哲はどうか…」
「なるほどね…それもそうね…男女別にしましょう」
「ちょっとまってください会長。俺は大丈夫です。理性を保つ事くらい余裕ですし、仲間に手を出すほど猿じゃありません」
俺の方を睨みながらそう哲は説得を始めた。
「大丈夫よ哲君、からかっただけだから」
微笑みながらそう謝る会長。そしてこう切り出した。
「生徒会室の両隣を宿にしましょう。それでいいでしょ?」
一同賛成の結論だ。
「で、一つ私の個人的なお願いなんだけど、私とココちゃんと幹彦君が同じ部屋でいい?」
皆して驚いている。千葉は例外だが…
もちろん俺は拒否する……予定だったが会長と目が合いウィンクされた。そして目が軍人の目だ。部屋が俺と千葉、会長の方が何かと都合がいいのだろう。
はぁ…仕方ないな…ここは少佐殿に従うしか無いか…
「はい、わかりました。会長のご意見にしたがいます。」
「あら、意外と素直ね♪」
まったく、この人は…
「じゃ、今日はもう遅いから部屋に行きましょ」
「はい、わかりました。」
「了解でーす」
千葉の軽いノリと哲の恨めしい目を背中に受けながら俺は会長についていく。
俺たちの泊まる部屋は先生方が泊まり込みの時に使う部屋だなので設備は充分だ。シャワールームもあるしそこらへんのホテル並だ。残念ながら半蔵先輩と哲の部屋は普通の教室だ。
「ごめんね、幹彦君。男の子一人で」
「いえ、構いませんよ。その方が都合がいいですしね」
「ちゃんと分かっててくれてよかったわー。あ、そうだ、先にシャワー浴びてきていいかしら?」
「構いませんよ」
「ココちゃんもいい?」
「オッケーですよー」
会長はシャワールームに入りシャワーと浴びているようだ。他の生徒達は宿舎に備え付けの大浴場に入っているが俺たちは個室…少し悪い気持ちになった。
会長がシャワーを浴びている間に事件は起こった。俺がベットに横になっている時に千葉が俺の上に乗っかってきたのだ。
「おい、なにしてんだ千葉」
「ねぇ、幹彦君さ、私のこと心美ってちゃんと呼んでくれない?」
「なんでだ?」
「そう、呼ばれたいから」
「悪いが俺にメリットが無い。それに他人の目もある。生徒会の仲間以上関係は今の所ないからな」
「じゃあ、仲間の関係でも、上司部下の関係でも無い、男と女の関係になったら名前で呼んでくれる?」
「さーな」
この素っ気ない態度に千葉が、いや、サウザンドハートがキレた。ナイフを俺の首元に押し付ける。
「じゃあ選んで、今から名前で呼ぶか、私を抱くか」
俺は千葉の腕を掴み俺の位置と千葉の位置を入れ替えた。正確には入れ替わったのだが。
俺が上に乗り、千葉が下になっている。そして俺は千葉に顔を近づける。千葉の顔は真っ赤になっている。そして、唇…ではなく耳元に顔を近づけ、こう呟く。
「あんまり怒らない方がいいぞ。可愛い顔が台無しだぞ、心美」
そして最後に頬にキスをして俺はおきあがった。