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クラスメイトとデスゲーム  作者: 奏 秀太
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突撃アクティブ隊ーー日本刀

アクティブスーツを身にまとい、空を目指して飛び続ける幹彦、寒さと気圧の変化による耳鳴り、それに加え薄くなる酸素に耐えて更に上に上に登って行く。そしてついに限界高度に達した。幹彦は日本刀を背中の鞘から抜き取り、垂直降下を始めた。




幹彦が天を目指して飛び立った頃、心美率いる戦闘員は巨大ロボットと交戦していた。心美はお得意の対物ライフルで撃ちまくり、他の戦闘員もガトリングなどを撃ちまくる。ほんの足止めに過ぎない、そう分かっていても撃ち続けるのだ。

心美は対物ライフルを撃ちながら先ほどの事を思い出していた。それはつい5分前のやりとりだった。



司令室にて



「いったいなに考えてるんですか!雫さん!これじゃあ、幹彦君が危険な目にあうだけじゃないですか!」


「落ち着いてココちゃん」


「落ち着いていられるわけないでしょ⁉︎」


心美は今にも暴れ回りそうだ。

雫はため息を着く



「心美、いい?この作戦が失敗すれば間違いなく私たちもみんな死ぬの。でも成功すれば皆助かる、それに幹彦君がもし仮に死んだとしても生き返るの。」


「それもそうですけ…」


雫は心美を抱き寄せながらこう呟く



「ココちゃん、あなたの気持ちは分かるわ。私もね、何人も目の前で死なれてるから、あの時の歯がゆさ、私にも理解できるわ。」


「はい…」


「それに、そのくらいで幹彦君は死なないわ」




そんな事を思い返しながら心美はバレットの引き金を引く。そして幹彦の勝利を信じて。




敵の巨大ロボットは砲撃を受けながらも止まることなく進行を続けている。武装はしているのに全く攻撃はしてこない。心美には全く意図がわからなかった。元々、心美は考える事は基本的にしない、狙撃に集中するためだ。考えるのは司令本部の仕事、要するに雫の仕事だ。そして考える仕事の雫にはおおよその予測がついていた、おそらくだが幹彦を恐れてのことだろう。だが、これはあくまでも予想に過ぎない、相手がただ、もったいぶっている可能性も否定出来ないし、他にも意図があるかもしれないのだ。




巨大ロボットと戦闘を始めてから約、15分、多少の足止めは出来たものの、結果的に殲滅には至らなかった(本来の目的が足止めなので失敗とは言えないが)

心美達とロボットの距離は約20メートル、ロボットが手を伸ばせば届きそうな距離だ。戦闘員は怖気付いて、後退し始めているが心美だけは、その場に止まり撃ち続けている。幹彦を信じ、その場に止まり戦い続けていた。だが、それも潮時、屋上にいた心美の目の前のロボットが剣を振り上げた。ボソッと心美の口から言葉がこぼれる。


「ごめんね、幹彦君」


心美は目をつぶり、自分の一時的な死の覚悟をした。次の瞬間、心美の鼓膜を揺らしたのはものすごい轟音だった。目を開けるとそこには仰向けで倒れている巨大ロボットがいた。そして空中に浮遊する黒い人影、そう、幹彦だ。



「幹彦君!」


アクティブスーツの幹彦は心美の方を振り向き心美のそばにゆっくり着地する。顔は見えないものの幹彦は話し始める



「心美、大丈夫か?」



「うん、大丈夫だよ。幹彦君こそ、大丈夫?てかなにしたの?」


「問題ない、みてなかったのか?」



「目をつぶってました」



「そうか、簡潔に説明するな。俺は音速でロボットに日本刀を叩き込んだだけだよ。まぁ、刀は壊れちゃったけどな」



「そ、そうなんだ」



心美は正直引いていた。音速でロボットに突っ込むなんて頭がイかれている。これは普通の思考だろうが…

幹彦は音速で落下しロボットの右足付け根、股関節に刀を叩き込み、足を切断し機動力を奪ったのだ。もちろん幹彦もかなりのダメージだが、アクティブスーツの恩恵で実際のダメージは皆無に近い。


幹彦と心美が屋上で少し話している時にロボットの胸部にあるハッチが開いたのだ。搭乗員は3名、煙が充満したようで脱出して来たようだ。その証拠に解放されたハッチから煙が出ている。

幹彦は心美との会話を中断してロボットの方に向かって飛び立つ。


敵兵3名の目の前に優雅に着陸する。その瞬間一人の敵が銃口を向けて来た。幹彦は反射的に頭を蹴った、蹴ったまではいいがその蹴りで敵兵の首を折ってしまったのだ。もちろん手加減はしたのだがアクティブスーツのパワーアシストを完全に忘れていたため、本当の意味での「手加減」が出来なかったのだ。まぁ、そんな事を気にする幹彦ではない。

幹彦はデザートイーグルをホルスターから抜き、這いつくばっている残り2人に向けた。



「俺は無闇に人を殺したくはない。話し合いがしたいんだ」


敵兵の一人は驚いたような顔をしている。もう一人は睨むような目でこちらを見つめこう言って来た。


「化け物め」


それを聞いた幹彦はデザートイーグルの引き金を引く。敵兵は力なく倒れた。


「お前は利口そうだな。頼むから殺させないでくれよ」


敵兵は震え始めた。それに構わず幹彦派こう続けた。


「いくつか質問させてもらう。いいな?」


「はい」


「お前達の「戦闘員は残り何名ほどだ?」


「もうほとんどいない。200人もいないだろう」


「そうか。それとなぜお前達はこのロボットを選んだ?このアクティブスーツでもよかったんじゃないか?」


「そんなもの、俺らのカタログには無かったんだ!」


「では最後の質問だ。生きたいか?死にたいか?」


敵兵は少し黙り込む。そしてこう呟いた。


「こ、殺してくれ」


幹彦はデザートイーグルの引き金を引いた。








その後、最終兵器を失った敵は降伏を申し出て来た。これは受諾してもいいし、しなくてもいい。受諾した後、兵士にするか、奴隷にするか、それも自由なのだ。雫の判断は降伏を受諾し、敵兵を奴隷兼兵士にすることにした。この決定に異議を唱える者はおらず、敵兵は俺たちの奴隷となった。


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