始まりは警告音から
バン!バン!
甲高い銃声が鳴る。ここは学校だ、そしてその甲高い音を出しているのは俺だ。いや、俺たちだ。銃口の先には他の学校の学生がいる。そう、俺たちは学校どうしで戦争をしているのだ。
俺の名前は丸山 幹彦だ。普通の高校生、だった。あの日までは。
異変は突然始まった。全校集会中、突然警告音が鳴ったのだ。そして正面に突如現れたモニター、そして不気味な覆面の男がモニターに写っていた。そして男はこう続けた。
「ゆとり教育を受けた若者達よこんにちは。この映像は全国の高校、中学校に放送されています。まぁ、前置きなんてどうでもいいんですよ、さぁ、本題に入りましょう。あなた方ゆとり教育を受けた皆様にはこれから殺しあってもらいます。大丈夫です、心配しないでください。同じ学校の生徒を殺すんじゃないんです。他校の奴らを殺して生き残ってください。武器はこちらで用意します。まずは最初の関門です。戦う意思のある人はそこの赤い線よりこちら側に来てください。」
そう覆面の男はそう言った。そして赤い線が出て来たのだ。
「参加は自由です。ですが、参加しない場合は即、ゲームオーバーです。」
それを聞いた俺はゾッとした。デスゲームでのゲームオーバー、それは死だ。俺は死にたくない。だからこのゲームに参加する。それだけだ。
うちの高校は全校生徒1500人の私立高校だ、その中で1300人が赤い線を超えた。参加していないのは、ギャルだのチャラ男などアホどもだ。
「受付を終了いたしました。参加者1327人、不参加者214人。これより不参加者の処理を始めます。」
ビーーービーーービーーー
警告音だ。
それを合図にしたように、体育館にロボットが入ってくる数は5体だ。ロボットは武装している。肩にガトリングガン、手にはショットガンと火炎放射器。全機が動きを止めた。そして次の瞬間一斉射撃が始まった。ガトリングガンの初期作動音が体育館に響く。そして、鉛の弾丸が音速を超えて飛び、赤いラインの外側の奴らに命中する。赤いラインは結界みたいになっている。なのでバカ共は中に入れないし、俺らは被弾しない。
5分もしないうちにほとんどのバカ共が死んだ。いたるところに血溜まりができている。まさに血の海だ。残っているのは30人程度だ。その中に番長と呼ぶべき男がいた。その男が死体を持ち上げ盾にしロボットに向かっていく。ロボットはショットガンを撃つ。残念ながらショットガンは貫通性に劣る。諦めたのか、撃つのをやめ、殴ろうとしている。奴は知能がないのか…
そんなことを思いながら見ているとロボットの手から剣が生えている。いや、正確には折りたたみのナイフのように隠し持っていたようだ。それを死体ごと番長に突き刺す。
「グハァ…」
それを機に番長は動かなくなった。他の奴らもジワジワ減っている。最後の一人も撃たれて死んだ。
そうか、本当に殺し合いが始まるのか…
俺はそう思い、覚悟を決めた。