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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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情報屋は恋のキューピット?

 可愛い後輩ちゃんが出来た。その事自体は、とても嬉しい。

 嬉しい、のだけども、この世界はギャルゲーの世界。

 そして私は、主人公の朝倉翔太に情報を渡し、ついでにお喋りでも出来たらなぁ、と、そんな訳で情報屋を自称している。

 だから、本当ならミキちゃんと朝倉くんを繋ぐのが、私の役目になるはず……なのだけど、あの娘をどうしたものやら。

 ミキちゃんは今、私への好感度が、見えはしないけど100%だろう。

 朝倉くんに、ミキちゃんを紹介したとしても、私にべったりすぎて、朝倉くんに興味を示さないんじゃないか。それこそ、さやかちゃんにベタ惚れしてる、マヤちゃんみたいに。

 そもそも、紹介するにしても、どう紹介したものやら。

 朝倉くんとミキちゃんをくっつけるために紹介するのは、なんか違う気がする。言葉が悪いけど、女衒にでもなった気分になってしまう。

 好感度100%を向けてる相手に、好感度0%(そもそも知らない)の人間を紹介されても、あんまりいい気はしない。

 私に出来る事は、特に無い。何も出来ない。

(まあ、そのうち知り合うでしょ)

 朝倉くんと、ミキちゃんの兄である後藤ケンジロウは知り合いだし、私が手を出さなくても『妹が清桜に入ったから、面倒見てやってくれ』みたいな話になって、朝倉くんの交友関係に入るだろう。

********

 なんて思ってた翌日。

 そこには頭上に22%を掲げて、屋上へやってきたミキちゃんが居た。

 きっと、お兄ちゃんの計らいで、朝倉くんと会った、もしくは、後藤家に朝倉くんが遊びに行ったとかで、仲良くなったのだろう。

 まあ、そこまでは分かるよ?

 でもね、でもねミキちゃん。その好感度数値はなんだい? どうして一日で22%まで上がるのかな?

 朝倉くんが一年アタックし続けた、桜子ちゃんより高い数値じゃないの。 

「佐伯先輩って、朝倉先輩とも仲が良いって本当ですか!?」

 二人しか居ない屋上で、周りの目が無いのを良いことに、ミキちゃんがいきなり質問していた。その目の輝きが、これまでに増して輝いている。

 この様子だと、兄から朝倉くんを紹介された、それも、だいぶ美化された上で紹介されてるな。好感度数値も、そういう事だろう。

 まあ、後藤ケンジロウの気持ちも分かる。

 いきなりケンカを売って、女の子もろとも傷つけようとした自分に、なんの遺恨も残さず、一緒にランニングしようと誘うというイケメンムーブは、男から見てもかっこよかったに違いない。

「左様でございます。同じクラスな事もあり、交流は深い方だと思います」

 というか私、朝倉くんからの信頼は、そこそこある方だと思うから、モブじゃなければワンチャンあったよね。

「あのあの、佐伯先輩って、恋のキューピットもされるんですよね? ボクと朝倉先輩のデートのセッティングもお願いできますか?」

「恋のキューピット……って、誰から聞いたんですか………」

 彼女の兄、後藤ケンジロウがそんな事言うのは思えないし、彼の兄貴分である暴走族のリーダーはそもそも、私が朝倉くんに情報提供してるのを知らない。

 いやそもそも、恋のキューピットって何。

 そんな、メルヘンチックな呼び方をされていい事では絶対にない。

 私のイメージでは、薄暗い路地裏で行われる闇取引みたいな。世間に憚られる、大手を振って宣伝は出来ない事だという自覚があるから、緊急事態以外は、求められてからしか情報を出さないようにしてるのに。

「小鳥遊先輩が、そう言ってました! 佐伯先輩は、自分と朝倉先輩を結んでくれた恋のキューピットだって!」

 どうしよう、話自体は間違ってないし、このみちゃん視点ではキューピット扱いでもいい気がする。

 間違ってないだけに、否定出来なくなってしまった。

 ヒロインの幸せは、情報屋の幸せ。私の事をキューピットだと思って、それが幸せなら、否定しちゃあ可哀想ってもんじゃないの。

「恋のキューピットという呼び方は、少々メルヘンが過ぎると思いますが、まあ、やってる事自体は、そんな所ですね」

「ということは!」

 ですよねー。

 いや待てよ、ミキちゃんが朝倉くんに興味を持って、デートがしたいって言い出してくれたのは、都合が良い事じゃないか。

 よし、情報屋として、恋のキューピットとして、全力でサポートしてやろうじゃないか。

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