泣けるシーン
51話
『カフェ・ケム〜ル』
「あなたが、巫女音朋さんね。こんにちは。あ、こんばんわか」
「おはよう。今日、はじめての会話」
「そうなんだ、芸能人みたいね。わたし宝田明よろしくね。ラブコメ好きなんだってね。どんなの好きなの」
「『メリーに首ったけ』とか……。『ローマの休日』とか、古い? 香港のラコメディとか好き『金枝玉葉』とか……」
「ラブコメは楽しいよね、わたしもよく観るわ。好きな俳優とかは、ラブコメじゃなくてもイイわよ」
「アダム・サンドラーとか、チャウ・シンチーのコメディ好き。ウッディ・アレンも嫌いじゃない。最近はサイモン・ペッグが好き」
暗い娘とか聞いたけど、ちゃんと会話できるじゃない。
あ〜でも、あのなんだかわからない不気味な縫いぐるみが気になる。
あそこから妖気の様な物が。
☆ ☆
街中でアキとあった。
最近、仕事であまり『カフェ・ケム〜ル』に来てなかった。
「はーいヒカル、久しぶり」
「アキさぁなんか……。疲れてそう出張が多いんでしょ。大丈夫?」
「ああ、出張はね、いろんなトコに行けて楽しいくらいよ。ぜんぜん苦じゃないわ」
「そおぉ。でも、目の下にクマが……」
「あ、コレね。実は会社がさっ、とってくれるホテルがね、映画やアニメ観放題なんで、ついね観てしまって。疲れとれないのよねぇ。寝不足で……」
☆ ☆
『カフェ・ケム〜ル』からの帰り。
「百鬼夜行さ〜ん」
あ、新丸子忍だわ。
「ボク、『ゴジラ』観ました!」
「そう、で、面白かった? あなたのことだから河内桃子が良かったとか。逃げるときころんでたわね」
「え、河内桃子? 出てました? 知ってる俳優はジャン・レノだけでした……」
なんでまた『GODZILLA』なのよ。
「どうして、はじめての『ゴジラ』が、ソレなの?」
☆ ☆
『カフェ・ケム〜ル』では。
「オリビアさんも、ゴジラ映画を観るんですか」
「ええ、全作ではないけど、また新作やるわね。邦画の好きよ。洋画のイマイチね。わたくし、次のも観たいけど、シネコンが嫌いなのよね。東さんはシネコンで観てるの?」
「必ずでは、ないですけど」
「シネコンに行かずに新作映画を早く観れる方法はないかしらセバスチャン? そうだわ、我が家専用の劇場作って上映するのはどう?」
「お嬢様、ソレは無理です。ホームシアターが限度です」
「ドコかの劇場でも、買えないの?」
「探してみます……」
「あの、買ったら観に行きます」
「わたくし専用のシネマ・オリビアシよ」
お金持ちは考えることが違うわ。ソフト出るまで待てないのかな?
☆ ☆
『カフェ・ケム〜ル』での団欒?
「いつも、僕に泣ける映画を聞くけど、キミたちの好きな映画の泣き所わ?」
たしかに波田さんにはそんな質問ばかりよね。
「東は、ゴジラが、ヘドラの目玉を取るトコかなぁ。あと、ゴジラが
飛ぶとこ。笑う人も居るけどね」
「わかるはヨーコ。あたしはマンダが海底軍艦にやられちゃうシーン。コレで出番が終わってしまうのって? あと『怪獣総進撃』のマンダに角がなかったのにも悲しかったわ」
「私は大映の妖怪シリーズの百鬼夜行シーンで毎回泣きます。あの百鬼夜行シーンより良い出来の映画を観たことありません。特にはじめの『妖怪百物語』のが好きで泣けます」
「私もまぜたて鎌田ナオミよ。私ね、『ガメラ2』でねレギオン倒して飛んで行く自衛隊員がガメラに敬礼するシーンで泣けるのよね」
「みんな、通だね。人が死んだりの悲しい場面とかじゃないのがイイね」
☆ ☆
今回、不参加の大きなイベント。ワンダーフェスティバルへ来た。
「さすがにレベルが違うな、珠希のヘドラのぬいぐるみなんかとは、大違いだ。ねぇヨーコさん」
「ん〜。たしかに。でも、私の方がカワイイわよねヨーコさん」
「そうね……」
ああ、なんでドコに行くのも二人一緒なの。この兄妹は?
珠雄くんと二人でデートしたい。
☆ ☆
街中。
「やはり、連休も仕事になりましたねぇ」
「わたしゃ一人だからね。映画さえ見れれば、でも捜査だからね……。観たいけど」
「え、はい。そうなんですか」
「なんだって、ホシが『火事場泥棒』って映画にエキストラで、出てたのがわかったそうです。アリバイ成立でヤツはシロです」
「なにそれ、じゃヤツは、犯人じゃ。その『火事場泥棒』って映画を今日、観るつもりだったの。早く探してよ、もう。あ、まだ最終に間に合う。じゃあね」
って、行っちゃたよ。鎌田さん。あーあ。ボクもカミさんと出かけるつもりだったのに。
つづく




