表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/53

趣味の違い

50話


 『カフェケ・ム〜ル』からの帰りに突然新丸子忍しんまるこしのふさんから告られた。


「ゴメンナサイ。あなたとはお付き合は、出来ません!」


「なんでです。僕の事嫌いですか……」


「あ……。あなたの好きな映画は?」


「『東京物語』とか『青い山脈』とか。あ、あと『エヴンゲリオン』も好きです」


「だからよ、怪獣映画が一作もないわ。だからよ。せめて、ゴジラ映画の一作でもあれば考えたかも……。映画サークルなんだから趣味は大事よ。宝田さんも言ってたわよねっ」


「百鬼夜行さん、僕はあきらめません!」 


   ☆ ☆


「久々ね。シネコンで出会うのヒカル」

「だね、アキは相変わらず劇場にかよってるんだね」


「あら、ヒカルは最近は劇場で映画観てないの?」

「そうね、あまり劇場には。で、家で観てるけど、古いのが多いかな。」


「そうなんだ、イイんじゃない。あ、連休とか新作観ないの?」


「うーん予定ないけど、最近は配信でね。弟に大型テレビで観れるようにしてもらったから、スマホより迫力あるの。でね『2001年宇宙の旅』観て『ロッキー』シリーズ観て『猫目小僧』観たわ。映画の見方も変わったわね」


「たしかに……」


 でも、わたしはヒカルのそのチョイスが気になるわ。


   ☆ ☆


 ある日の『カフェ・ケム〜ル』で。


「え、そうなんですかぁ。あの監督は園子温(そのしおん)って読むんですか。私、知りませんでした。そのこあつしかと」

「ヨーコ、あたしもよ」


「読み間違いって多いよね。でも、あんたたち特撮ファンならゴジラの本多猪四郎(ほんだいしろう)は知ってるよね」 


「え、イノシロウーじゃないんですか、鎌田さん」


「ミドリさんも、私もそう読んでた」


   ☆ ☆


「間宮林蔵、偶然ですね」

「あ、久しぶりに外で……。でも、林蔵じゃ」


「あなた、なんで、なんで、わたしを見捨てて結婚したの……」


「わたしをもてあそんだのね!」


 うわぁあ!


「あ……夢か」


 百鬼夜行さんの顔が、目が突然に巨大化し襲ってくるなんで、どういう夢だ。

 

「ん……。りんちゃん、どうしたの?」

「あ、いや、怖い話を」


 一方、百鬼夜行愛のベッド。


「はぁつ! ナニ今の……夢。なんであんな夢見たのかしら……。林蔵に怒りをぶつけるなんて」


   ☆ ☆


『カフェ・ケム〜ル』の夜。


「『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』『シン・エヴァ』ってさ、あの監督は次はナニをシンにするのかね。このところおちついてるけど」


「あの監督の趣味ですよね、鎌田さん。やはり『シン・ナウシカ』とかやりたいんじゃ。でも宮崎駿がウンと言わないでしょうね」


「なるほどね~。アニメの人だしねあの監督は。さすが金田さん」


「あたしぃまえのが最悪だったから『シン・デビルマン』作ってほしいわ!」


「実相寺さんの気持ちわかります。でも私は個人的趣味ですけど、あのウェンツ瑛士の鬼太郎がダメなので『シン・ゲゲゲの鬼太郎』を作ってほしいです! 鬼太郎はのほほ〜んとした子どもにやらせたいです」


「なるほど水森さんらしい。けっきょく、『新大魔神』は、どうなったのかなぁ変なテレビドラマとか、『妖怪大戦争』の続編でCGで出てたけど、私は昔ながらの時代劇版の大魔神が観たい!」

「鎌田さん、ボクは大魔神って観たことないんですけど」

「りんちゃん、若ぶってるけどテレビで二三回観てんじゃないの?」

「ぶってません。午後のロードショーでやりました?」


   ☆ ☆


 私、東陽子は即売会で出会った珠希(たまき)ちゃんと一緒に同人誌を即売会で売るようになった。


 ミドリさんのコトもあったし、もしかして私ってユリな女なのかも。

 自分ではまだ、自覚はないけど。


 なぜか珠希ちゃんの顔に惹かれる自分が。


「お、居た居た。珠希、見に来たぞ」


「あ、お兄ちゃん!」


「この人は友だちの東陽子さん。私の双子の兄だよ」


「陽子さん、珠希の兄の珠雄(たまお)です。お手伝いありがとう」


 珠希ちゃんと同じ顔の男性。

 そうかぁ。こういうコトだったのね。


 うるうる。


   ☆ ☆


「あっ!」


 あっ わたしは街中で、懐かしい顔に会った。


「中学校で一番の美少女だった。映画部の部長。宝田明たからだあき先輩!」


 有楽太郎くんだ。

 昔みたいな坊ちゃん刈りヘアーのメガネ男子ではなくウエーブがかったクセ毛の長髪だけど、すぐにわかった。


「宝田先輩、お久しぶりです!」

「有楽くん、映画観てる?!」


「はい、考えるな!」

「感じるんだ。でしょ」


 あの映画で親しくなった。リー師匠のおかげだ。ありがとう。また会えた!


             つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ