新たな天使たち
5話
また、新しい入会希望者が、有楽町のカフェで会うので会長に一緒に来てと言われ。
変な男だと怖いからと、まあでも映画マニアだから、そんなに危ないのは。
面談に来た男性だか、これが。
「数寄屋橋渡。俺もシネマディクトの会に混ぜてんれない」
わ、オールバックの金髪に細い真っ黒なサングラス。そして咥えタバコ。
服装はスーツだか、ボタンははずしてる。細い濃紺のネクタイはゆるめてる。
歳は四十代かな? おっさんだわ。
「会長。あの人、入れるんですか……」
わたしは小声で日比谷さんに。
「う〜ん」
会長も考えてるらしい。あぁいう人は会に合わないと思う。
「あのう数寄屋橋さんは、どんな映画がお好きですか?」
「あ〜『ベイブ』とか、動物が主人公のヤツかな。何度も観てる『ベイブ』」
「私も『ベイブ』大好きです。ようこそ、シネマディクトの会に」
入れるんだ、会長。
☆ ☆
房総のとある書店。
「ねぇアミちゃんはクリスマスは予定あるの?」
アミより歳上だけど同期でバイトしている永田野みずほさんが。
クリスマスのお誘いかしら?
「アミは映画に」
「え〜いいわね。彼氏と?」
「アミ、彼氏とかいません。映画サークルで観る会というので」
「ナニそれ、映画サークルって。なんだか寂しいわね。クリスマスは彼とでしょ」
クリスマスの夜はシネマディクトの会で。
大白里亜海みたいに寂しい彼氏、彼女がいない会員たちでワイワイと映画に。
しかし、もっと寂しいかったのは、なんの予定もなく家でテレビを見てる独り者の永田野みずほだった。
「亜海ちゃんどーしてるかなぁ〜。彼氏ホシー」
☆ ☆
房総の某書店。
「アミちゃん、サークルの観る会はどうだった?」
「なんだかんだと楽しかったです」
「実は私もね配信で映画見たのよ。女優と書店員が恋する話」
「あ、観たことあるかも。タイトル忘れた」
「私も、忘れた。でも、映画よね。あんなコトあるわけないわよね。東京の店ならともかく……。ウチみたいな田舎の書店じゃ」
「アノ、スミマセン」
うわっ、外国人!
「はい、いらっしゃいませ! サンキュー」
外国人の人は、雑誌を数冊買っていった。
あれ、みずほさん、ボーッとしてる。
「アミちゃん、見たわよねハンサムな外国人!」
「うん、けど……」
「あるかもしれないわね映画みたいな話」
「ないと、思うけど。あの人よくアダルト雑誌買いに来る普通の日本人でない人だよ」
☆ ☆
とあるシネコンで。
有楽総士郎のはなし。
うっ隣の席の女性。映画が、始まる前からナニか食べだした。臭いが鼻につく。
ふと、見ればロングヘアーの眼鏡の女性だ。
僕みたいじゃないか。
が、ロン毛で眼鏡は僕の好みではない。
うっ、この臭いは僕の嫌いなバター醤油味の。
パクパクパクパク
ポップコーンか!
嫌だなぁ隣からプンプンする。映画に集中出来ない!
文句言おうか。
映画はクライマックスに。
うっうううう
隣が泣いている。
「うっうう泣けるわぁ……。このシーン」
そうか、やはりココで泣けるよな。
キミの行動をゆるす。
☆ ☆
まえのエピソードの続き。
お茶会のカフェで。有楽さんがぼやく。
「バター醤油の臭い苦手で僕、シネコンの売店で売らないで欲しい」
「え〜。ソレはどうなの。わたしはよく食べてるよ。自分がビーマン嫌いだからスーパーに売るなと言ってるようなものよ」
「有楽さん、ソレは無理な話よ」
「全席指定でなければ、移動しちゃうんだけどな。ガラガラなら指定でも席離れる」
「有楽さん、べつに禁止されてないポップコーンを食べてるより、そっちの方がダメなんじゃない」
☆ ☆
房総の某書店。
「アミちゃん聞いて、このまえ久しぶりに見たい映画があったから東京まで行って見たのよ。で、席に着いてお腹すいてたからイロイロ買い込んで食べながら映画見てたら、隣のオヤジが、なんかブツブツ言ってんのよね」
「みずほさんが、東京まで行って映画を。珍しいですねぇ」
「だって千葉じゃやってないんだもん」
「で、その隣のオヤジはナニをブツブツと?」
「それがね、臭い臭い臭いと、私、思わず自分の臭い嗅いじゃたわ」
「みずほさんの香水がきつかったとか」
「私、臭い?」
「いえ」
「私香水つけてないわよ。その日はなんか、イヤ〜な思いしたわ。しかも、そのオヤジがね、ロン毛でメガネだったの」
「みずほさん、みたいじゃない!」
ちなみにみずほさんはメガネをかけた、先生の役してた女優に似てるby大白里亜海。
つづく




