結婚するってホントですか
46話
佐藤日音歌の家。
「お姉ちゃん、おめかししてドコ、行くの?」
「映画よ」
「映画かぁイイなぁ〜。あ、もしかしてデート?」
「そんなんじゃないわよ。友だちとね。じゃあ」
「お姉ちゃん、ナニ観に行くの!」
「なんでもいいでしょ!」
「わたしも弟と行くから……」
某シネコン。
「ごめんなさい、待った?」
「いや、席取ってあるから。入れる時間だよ」
「妹にナニ観るのとか聞かれちゃたのよ」
「で、言ったの」
「デートでライダーとスーパー戦隊の二本立てとは言えないわよ」
「あ、やっぱり普通の映画の方が……」
「ううん、こっちの方が。間宮さんだって」
「あぁそうなんだ」
「ケイ太ってば、もうギリギリじゃない、一番前しか空いてなかったわよ。って」
後の数段上の席にお姉ちゃん!
うそ、男の人とデート映画でライダーって。
「どうしたのお姉ちゃん」
「なんでもないわ、もうすぐ始まるからココに座って前を見るのよ」
☆ ☆
『カフェ・ケム〜ル』
「鎌田さん、知ってます? 世の中のウエスタンファンには二種類の人間が居ます。マカロニを観るファンと観ないファンです」
「みりあちゃんは観るファンね」
「と、いうかアメリカンウエスタンはほぼ観ません」
「あ、思い出したわ、世の中に二種類の人間が居るって『続・夕陽のガンマン』でよね。大本は違うそうだけど。私も、映画ファンには二種類のファンが、怪獣映画を観るファンと観ないファン」
「まだ、ありますよ。カンフー映画を観るファンと観ないファン」
「塩見さん、それならいくつでも出来るよ」
「はいはい、『ゴジラ対ヘドラ』を観るファンと観ないファン!」
「そんなのキリがないわよヨーコ。『海底軍艦』を観るファンと観ないファンとか……」
☆ ☆
某病院。
「先生、私はね大昔のチャンバくらいしか……」
「ほぉ~最近のは」
「いえ、ほとんど見ませんね」
今日の診察はおわり、新人の女医が。
「完能山先生、今日は患者さん多くて大変でしたね」
「だね。あ、キミは知ってるかな? 患者さんには二種類の患者が居るんだよ」
「知ってます先生。スケベな患者とそうでない患者です」
「ああ、そうだね……」
私は映画を観る患者と観ない患者と言おうと。
「先生、お医者さんですけど二種類の人が」
「え、優しいドクターとそうでないドクターかな?」
「いえ、いやらしいドクターと変態ドクターです」
「ソレは……。普通のドクターは居ないのかね?」
「そうですね、私の意見ですけど」
「私はどっちかね?」
「あ、完能山先生は……。ド変態ですかねウフフ」
笑えんよ。
☆ ☆
某居酒屋。
「入会させていただいた。新丸子忍です。原節子とか三宅邦子が好きです。え、年齢ですか二十二です。 古い映画が好きなもんで小津作品とか……。でも、最近式波・アスカ・ラングレーのファンになりました」
☆ ☆
とあるアパートの向かいのアパート。
「ブワァ〜。ヤツは動きませんね……。ノートパソコンなんかひらいてナニ観てるんです鎌田さん」
「今回の張り込みは、長引くと思ってね。ヤツは四時頃まで動かないわよ」
「なんでわかるんです?」
「あのね、午後のロードショーで『ワイルド・スピード』やってんのよ。アイツねこのシリーズのファンなのよ、終わるまで動かないわ」
☆ ☆
『カフェ・ケム〜ル』
「結婚! 佐藤日音歌、誰と? あたしたちが知ってる人?」
「間宮さんです」
「刑事の妻とかになるのね。なんかドラマみたい。間宮日音歌になるのか」
「刑事の奥さんて、大変だよね。ナニかの記念日とかなると、必ず事件が起きるの」
☆ ☆
警視庁。
「りんちゃん、なんで言わないのよ。サークルの実相寺さんに聞いたわよ。結婚するんだって。あ〜あ後輩にまた先越されたわ。やるじゃない、子供とか出来たの?」
「いやぁ~ソレはないすっ」
「りんちゃん。おめでとう。おねえさんびっくりしたわよ。私より先に結婚するなんて」
「レイチェルさん」
「聞いたわよ。シネコンで子供作ったってホント。りんちゃん、やるわね」
「そんなのウソですよ。誰が?」
あの人しか居ないよな。
「鎌田さん、妙な噂、流さないで下さいよ」
あれ、鎌田さんが消えた。
「りんちゃん、やっぱり、上映中のトイレとかで? 劇場内は無理よね……。でも、昔、友だちがしたとか」
「レイチェルさん、ウソですから……」
つづく




