タイムスリップ?!
39話
「それじゃ、今日はコレで」
「あの、今、名画座へ行くと。池袋の……」
「そうよ、昭和のお笑い特撮映画特集観に行くのよ。りんちゃんも行く?」
「ソコは去年、殺人事件があった後に。その殺人がおこなわれた時間に、上映されてる映画のスクリーンに出るという……」
「ええ、知ってるわよ。もう何度も観た映画だけど、ソレを確かめに行こうと。りんちゃん行こうよ観に」
「あ……ボク、怖いの苦手で。必ず見えると、しかもみな違う映画なのに同じ顔が」
「だからね、今回みたいなお笑い特撮映画で、出たら怖いかなぁ〜と確かめに」
「鎌田さん、ソレは笑えるのか、怖いのか……」
☆ ☆
「コラッ待て!」
「バカか、待てと言われて待つ逃げる男は居ないよ! なに?! 前の女、邪魔だどけろ!」
危ない、前に女性が。
「逃げてください、そいつはナイフを!」
「ていっ!」
うそ、前の女性がナイフをかわして腕を取り、そのまま投げた。
「てぇ〜な、おんな!」
倒れた男が起き上がった所に女性が後ろ回し蹴りを放った。
そして、倒れた男をボクは取り押さえて。
「あ、ありがとうございます。ご協力感謝しますが……」
「いえいえ、イイ運動に」
「ハァハァ……あんた、イイ蹴りしてたな。まるで映画のファイターだ」
「そうよ、だってあたし香港でスタントマンしてたの。さっきのはドニー様直伝のキックよ」
「ドニー様って、ドニー・イェンか?!」
「そうよ、ドニー・イェン様、知ってるのね」
「そうか……。オレ、香港アクション映画のファンなんだ」
「私も出てた映画もあったけどほとんど日本未公開してないのよね」
「ソレは残念だったな。オレはドニー・イェンの映画は全部観てる」
「そうなの、ならまた観て、私がスタントしてるのがあるから……」
「ああ、観てみる。刑事さん、刑務所でDVD観れるかい?!」
おいおい、こんな場面でする話か。
「ハァハァ、やっと追いついたわ。りんちゃん。歳には勝てないねぇ」
☆ ☆
私はついにシネマディクトの会、五代目会長に。
小学生で会長になった四代目が、JKとなり、 海外留学したのでやっと僕に。
やったぜ、有楽総士郎!
観る会の二次会に。
「わたしたち、話し合ったんだけど有楽さん。シネマディクトの会は、今回の観る会で解散する事にしました。有楽さん、最後の会長をありがとう。そしてお疲れ様」
キネマちゃん、聖子さん。お疲れ様って、まだなにも。
☆ ☆
「久しぶりにヨーコと映画観たわ」
「そうだね、高校卒業して、初めてかな。まさか『ゴジヘド』の4K劇場公開があるなんて、ミドリ、誘ってくれてありがとうね」
「高校出たらさぁ映画の話が出来るのがお祖父ちゃんしか、居なくてね。でさぁあたし、高校の映画部みたいな仲間が欲しくなったから映画サークルでも作ろうと思うの」
「映画サークルって、いまどきどうなのかなぁ。たしかに、わたしも映画の話したいけど、ネットとかでさぁ……」
「そういう時だから、やりたいの。あたしは映画好きの生の会話がしたいの」
新しいのあまり知らないけど。
「今の話、聞いたわよ。あなたたち」
誰?
「私は鎌田ナオミ。映画の1ファンよ」
☆ ☆
映画サークルを作ると決めた二週間後。
シネコンのロビーで出会った知らないオバさんとも。
「ネット内で映画サークルの募集したら、まったく問い合わせないのよね」
「やはりダメなのかな……」
「お嬢さんたち、やはりダメなのね。ネット募集。仲間をふやすなら、あの方法よね」
「どんな方法です鎌田さん?」
「あなたたち、『七人の侍』知ってる?」
「ええ、観ました」
「それから、『三国志』とか『水滸伝』。知ってるよね」
「それは、タイトルだけ……」
「人望よ、それと人柄。人集めるのに、こっちらか動くの。で、この人が1号会員。間宮くんよ」
「なんの話です鎌田さん?」
☆ ☆
「映画サークルですか……。え〜と間宮林蔵さん」
「いや、林蔵じゃないから」
「私は鎌田ナオミ、怪獣映画好きなんでしょ。あなた」
と、また偶然に会った間宮林蔵さんと鎌田というオバさんに、『カフェ・ケム〜ル』という店に連れてこられた。
他に女性が二人。
「実相寺緑よ、よろしく」
「わたしは東陽子です」
「はあ……。百鬼夜行愛ですけど、わたしに映画サークルで、ナニを……。期待してるんですか?」
「期待?」
「期待なんか……」
「なんにもしてないわよ」
って。
「あたしたち、映画の話がしたいだけなの」
☆ ☆
高校の時に入っていた映画部の実相寺さんからハガキが来た。
内容は映画サークル作ったから暇だったら来ないかと。
まあ暇だったから、わたしは。
『カフェ・ケム〜ル』って、ココね。
ドアを開けたら。
一瞬、タイムスリップしたかと。
実相寺さんだけでなく、東さん。
映画部の会長だった。宝田さんや副部長の銀間久さんも。
ココは映画部の部室かと?!
「久しぶりぃ。佐藤日音歌さん入会!」
って、実相寺さん!
つづく




