ありえない? 偶然
38話
今度は池袋のサンシャインシティ近くの裏通りで。
「また、会いましたね。え~と間宮林蔵さん」
「いや、間宮だけど林蔵じゃないんだけど」
「コレは偶然なんですか? まさか、ストーカーでは……」
「ストーカーなんて、してないよ。ホント、偶然なんだ。 君は群馬だと、東京に長く滞在してるの?」
「いえ、一度帰ったんです。 が、この前来てみて、芸能人に会いまして。で、それも三日ほど東京に居て、三回も。ホントに東京に来ると芸能人に会えるんだなぁと家族に自慢を……。で、また来ちゃいました。今回はまえに行けなかった池袋を……。で、あなたに会ってしまいました。まだ、誰にも会ってないのに芸能人……」
☆ ☆
「え〜私、ソレはないと、りんちゃんゴジラ映画観てんの? なんで、ゴジラよりガメラの方が強いのよ」
つい、口が。特撮映画好きの鎌田さんにガメラが、ゴジラより強いと。
「ゴジラって、あまり武器がないですよね。デカいし、頑丈なのはわかります。ガメラの戦ってきた相手の怪獣考えたら、ゴジラよりみんな強そうだし」
「そーかなぁ。バルゴンだと冷凍にされるわね。ギャオスには超音波光線で傷だらけにされそう。バイラスにお腹刺されそうだし、ギロンの包丁頭で手足切断とか、ジャイガーに卵、産みつけられたら、悪役ゴジラは、子どもたちの助けはない……。ジグラとの海戦はいけるだろうが、音波攻撃は、つらそう。ヤバいかもね……。ゴジラは甲羅無いし」
☆ ☆
台風、地震、等。災害の跡地を見たボクら。
「こーゆーの見ると怪獣災害を思い出す、不謹慎な、特撮映画ファンよね」
「なんか、ラドンが飛び去った跡地みたいですね」
☆ ☆
今度は神田神保町の古本屋街。
「ホントに、偶然ですよね?」
「偶然だよ。神に誓って……。でさぁキミさぁ。ゴジラとか、詳しかったよね。え〜と百鬼丸さんだっけ」
「百鬼夜行愛です。ストーカーなら、覚えて下さい」
「ストーカーじゃないと。で、ガメラとゴジラ、どっちが強いと思う?」
「赤の他人にする質問ですか……」
とか、言いつつ。だまって考えてる。やはり好きなんだろ。
「それは、その映画を作る映画会社によりません、東宝ならゴジラ。角川ならガメラ……。でも、この手のでは、はじめに互角に戦って最終的に仲間になり、共通の敵を倒すパターンです。スーパースターはどちらも負けません」
思い切りシビアな答えだ。
「わたしなら、二匹が戦う前にキングギドラとイリス、ギララとガッパとかでトーナメントさせます。レギオンの相手はデストロイアかな」
☆ ☆
ある日、街中で二人のコンビらしい人物と会った。
一人は金髪オールバックのサングラスの中年、もう一人はすらっと背の高いイケメンの青年。
「あら、久しぶりね、数寄屋橋さん」
鎌田さんの知り合いのようだ。
「あ〜そうだなぁ。景気はどうだ?」
「景気ぃ。刑事が景気イイって、それじゃダメでしょ。私たちは暇な方が世の中、平和なのよ」
「ま〜あそうだなぁ〜。で、暇なら映画観る時間も増える」
「だからと言って勤務時間に観るのはダメでしょ。数寄屋橋さん」
相手の相棒の言う事は正しい。
「そうなんですね、ウチの相棒も……」
「暇ならイイじゃね〜若いの。映画くらい……。あのさ、最近のディズニーの実写化、何なんだろうな。『ライオンキング』とか、CG動物大行進だ。納得がいかねぇ。動物なのに性器がねぇ」
「数寄屋橋さん、怪獣とかも映画じゃCGだよ。着ぐるみ怪獣が懐かしいねぇ。わたしゃ映画も変わったねぇ」
あんたら老人か。
まあ近いけど。
☆ ☆
「うそ、また!」
今度は後楽園ゆうえんちで。
「この、偶然は恐ろしいな。ホント、ストーカーじゃないぞ! もしかして、ボクら妙な縁でもあるのかもな」
「縁ですか? そういうの信じるんですか間宮さんは」
「特には、でも偶然が、こう続くと……。百鬼夜行さん」
「縁ですか、もしかして悪いクサレ縁とか、実はわたしの先祖が、あなたの先祖に殺されたとか」
おいおい、なんでそういう悪い考えになる。
☆ ☆
三人の子持ちになり、なんだかんだとお金が、かるので大好きだった映画は月に一本。
まあ普通の人には多いんだろうが、僕みたいな映画ファンにはつらい。
中々予約がとれないという東京一美人でよく当たるという占い師に見てもらえるという懸賞に当たったラッキーな、有楽総士郎。
占いの部屋。
「本当に、そんな事でいいんですか?」
「はい、ソファさんの占いで、月一本の映画は、ナニを観たらいいかと。期待してます」
こんなの占うのは、初めてだわ。
「あの……。出ました」
「で、何を?!」
「あの……。今月は一本も見ない方がイイと出ました」
「ええ!」
つづく




