昭和の天使
31話
「こんにちは、МCの用賀ミオです。今回の『シネマニアン』のゲストは現在ヒット公開中の『呪呪3』で、妖女アリス役を怪演してる栗妻アリスさんです」
「妖女を怪演している栗妻アリスです。よろしく」
「スゴイですよね、『アリスは、あの貞子や伽椰子をこえた』と、街では評判ですが」
「複雑です。でも、皆様に知られて嬉しいですね」
「初作は、ハリウッドリメイクとか。それに第4作目は韓国との合作とか聞いてますけど」
「リメイクには、私は出ませんけど韓国との合作『呪呪4』には出ます。撮影は、まだですけど」
「このまま続けば、『貞子』シリーズや『13日の金曜日』シリーズぬいてホラー界の寅さんになりますよね〜」
私はジェイソンと一緒かしら。
でも、アカデミー賞とれるなら。頑張る!
☆ ☆
中学生になって、二年。
な〜んか最近つまんないなぁ。クラスメイトの女の子たちとは、なじめないし。
なんだか、わたしぼっちになってる。
太郎のヤツもこの頃、可愛い後輩がくっついてて、わたしに話しかけてもこない。
太郎ってば、映画部、後輩の可愛い女の子と。
太郎って、わたしナニを考えてんだか!
寂しくなんかないもん!
「おーい、数寄屋橋ぃナニやってんの? 次の授業は理科室だよ!」
☆ ☆
毎度おなじみ某居酒屋の個室。
「ちょっと古いけど、今日は『片腕マシンガール』です!」
「さすがカナちゃん。その腕のマシンガンの出来が素晴らしい。自分で作ったの?」
「こういった小物はね、仲良しの作りてが居てね」
「また、豊洲くんのリクエストか? でもそのセーラー服姿もそそるなぁ」
「オジサマのためにスカート短くしてみました」
「ほーい、今夜のカナちゃんの分は、わしのおごりだぁ!」
「最近こういうお楽しみがあったのね。この頃、よく二次会に出るから……。なんか、あると」
「マリオン!」
翌月、活堂邸。
「『死霊の盆踊り』のコスプレ! どうオジサマ」
「たまらんなぁマリオン」
「でしょ、彼女にウチでコスプレショーやってもらって飲むのサイコーでしょ。ダーリン」
「スゲー。ウチだとアダルトバージョンなのか……。親父、たまらんなぁ〜」
「リクちゃんもこっちで飲みなよ!」
「マリオンさん、力です」
☆ ☆
某街角。
「ありがとう石原くん、誕生日知ってたんだね」
サイトで見た彼女のプロフィール。生まれ年は、サバよんでたけど、月日はあってた。
卒業アルバムに載ってたので、間違いなかった。
「あの、コレ、たいしたモノじゃないけどプレゼント」
「石原くんは、来月よね。ちょっと早いけど、私からも」
「僕にまで……」
なんか、プレゼント交換に。
「今日はありがとう。楽しかったわ、またね」
家に帰り彼女のプレゼントを開けたら、彼女の新作AVだった。
また、二枚に。
しまった、またサインもらうの忘れた。
☆ ☆
またまた某街角。
「おや、数寄屋橋じゃないか。久しぶり」
「流山か。元気でやってるか、映画観てるか?」
「ああ、元気だけがとりえだからな、けど忙しくてな、映画をゆっくり見れないんだ。数寄屋橋は?」
「テキトーに仕事サボって観てる!」
「そうか、数寄屋橋らしいな。こっちはさ、天使稼業が忙しくてな、じゃ」
行っちまった。
天使稼業だと、しかしなんで昭和のあの頃。探偵のコトを天使って言ってたんだ。
謎だ。
「数寄屋橋さん、今の人は?」
「おう石原。学生の頃に入ってた映画サークルのダチだ。今は興信所で働いてる。天使だとよ、笑わせるぜ」
「天使? 興信所って、あの人、探偵ですか。あ、はいコーヒーとブリトー」
☆ ☆
某大手中古書店。
「あ、『ダーククリスタル』のブルーレイが、五百円!」
でも、アミのウチにはブルーレイのデッキない。
「お、コレは愛しのジェニファーちゃんの若い頃の傑作『ラビリンス』では、ないか、しかもブルーレイじゃないの」
隣の怖そうなスキンヘッドでサングラスのおじさんが、アミの方を見て。
「あ、ソレは、『ダーククリスタル』! いいなぁ僕、ジム・ヘンソンのファンでね」
しゃべると、見た目より優しそう。
「おしさん、この『ダーククリスタル』。おじさんにゆずります!」
「え、ホントに。嬉しいなぁ」
おじさんは、泣いて喜んでた。
☆ ☆
某興信所。
「所長、そりゃ〜良かったですね」
「ああ、それで可愛い娘だったから、お茶に誘ったんだがことわられたよ」
「所長の見た目じゃ、怖かったんじゃないすか。その娘」
「最近の娘はね、スキンヘッドには抵抗ないから、怖さというか……。ゆずってもらって、泣いたのが、まずかったのかも。変なおじさんだと……」
「所長、涙もろいですからね。こないだ『ナウシカ』のリバイバル観に行って泣かれたのにはびっくりしました」
「流山くんは、『ナウシカ』のクライマックスでナウシカ復活のシーン。あそこで泣けないの?」
「ボクはテレビ放映の『トトロ』のサツキが泣くシーンでもらい泣きします」
つづく




