日比谷さんは髪型変わる
3話
久々に日比谷さんと映画に。
カフェで帽子をとった彼女、髪型変ってた。
「会長、どうしたの髪切って。なんかあったの?」
「ううん、ナニもないわよ。彼氏と別れたとか、なないわよ。知ってるでしょ居ないの」
「あはは。お互いに」
「気分転換よ。私、よく変えるのよ。明日金髪にするかもね」
「金髪もいいんじゃないの会長」
「話変わるけど、こんな話聞いたことある。昔、まだ劇場の席が自由だった頃」
「ホントに変わりますね。昔話ですか?」
「ある名画座で」
「ある名画座で……。池袋とか高田馬場ですか?」
「まあ、想像にまかせるわ。ソコは毎年年末にオールナイトでホラー特集するのよ。毎回大入り満員で大盛況なんだけど……。でもね、いつも一席だけ、空いてるのよ」
「なんです怖い話ですか? それとも嫌な話? その空いてる席に座ると不幸になるとか……」
「大盛況なのは、そのオールナイトだけで普通はガラガラなボンビー劇場なの、そこは。で、壊れてる座席を直してなかったのよ」
そんなオチ。
それと同じ話を観る会の後のカフェで有楽さんが。
「有楽さん、その話。椅子が壊れてたとか……」
「え、若いのに知ってたの! 怪談とかで、うけてたのに……」
そのネタで、うけるの。
それに怪談でもないし。
わたしは、その話をしている有楽さんの顔が怖いわ。
で、女子会で今度はマリオンが。
「一つだけ誰も座らない席が……」
また、その話。
「あ、それ椅子が壊れてたという……」
「NO! キネマちゃん。その席にウ○コがしてあったの」
え、ナニ。
下ネタ。
後で他の人も言ってたが、実話だと。
昔の人は、なんちゅーコトを。
コーラとか、こぼしてベトベトなんてぇ席も、今はキレイよね。
☆ ☆
銀座一京子のはなし。
「今日は何処へ行く?」
「映画観たいな」
「え、また。このまえ二本観ただろ。たまには、お台場でも行こうぜ!」
「いいよ、お台場 OK! メディアージュで映画観よ!」
「あのな〜。じゃディズニーランド行こ!」
「イイよ。で、帰りにイクスピアリで映画観よ」
さすがにフラれた彼女は、彼氏募集中。
☆ ☆
銀座一京子のはなし。その2
「ねぇ彼女、ボクと映画見に行かない?」
ナンパされた彼女。
「あ、OK。もちろん奢りでしょ」
「銀座一さん、それで映画を。大丈夫だったの……」
「ええ、映画が終わったら即、トイレって。そんで劇場から逃げたの……。ナンパで付き合うほどの男じゃなかったからね。だって、約束は映画観るだけだから。間違ってないわよね」
「それで、またそのナンパ男と出会ったらヤバくない?」
「大丈夫、知らん顔して無視するから」
カワイイ顔して、したたかなよね。あんたって。
声には出せない木根間ちゃん。
☆ ☆
日比谷会長が劇場内で聞いたはなし。
「ねぇクリント・イーストウッドってお爺ちゃん俳優さぁナニに出ていた人だっけ、一緒になんか観たよね?」
彼らは私の前の席だった。
カップルで観るようなのなら『マディソン郡の橋』かしら?
「なんだっけ、『ゴジラ』じゃなくて『アバター』かな……」
違うぞ、彼氏。
「あ、わかった! アメリカの大統領だ!」
違うよ彼女! そりゃクリントンだよ。
☆ ☆
「石場さん、誰かと映画観行くのは観る会以外では、ひさしぶりだなぁ」
「僕もですよ有楽さん」
妙な組み合わせの二人。たまたま同じ映画が観たかったので一緒に。
「いらっしゃいませ、お客様。この映画は5番のホールです。あら、今日はお一人では」
「あはは、たまにはね……」
映画見終わり、二人は喫茶店で。
「つまらん映画でしたね」
「ああ、ありゃホンがイマイチだったね。話しが浅すぎる。あのさ話は変わるけど、○○シネコンのチケット、も切りの娘が可愛くてさ。僕、ついついあのシネコンで観ちゃうんだよね。最近は憶えられちゃて……」
「それで、一人でないのとか」
「このまえなんか『映画がお好きなんですね』とか……」
「あの、今日はわからなかったみたいですけど、彼女は、僕の姪っ子なんですよ」
「そうなのか……」
「実は彼女、近いうちに結婚するんで寿退職するとか聞きました。いや〜めでたいですね〜」
めでたくね〜よ。オジさん!
☆ ☆
有楽総士郎のはなし。
「このまえ、隣の席に美人映画評論家の用賀未央が座ってさ。超ラッキーと思ったわけ」
「ソレはラッキーですな」
「だけど、映画が始まったらイビキかいて寝てたんだよね。ほぼ、最後まで」
「疲れてたんじゃないすか」
「かもな。けど、その映画の批評を雑誌で観たら」
〘とても、素晴らしくて始めから泣きぱなしで涙でスクリーンが見えませんでした〙
「だってさ、寝ててまぶたで見えなかったんじゃないの。僕のマドンナだったのに……」
つづく




