新担任
22話
「えっプロポーズ! 豊洲くんが」
「ええ、実はシネコンのロビーで知り合った彼女が……。有楽さんは、いろんな映画を観てるから、なんか参考になるような、おもしろいプロポーズがあるんじゃないかと」
う〜ん。プロポーズねぇ〜。
僕なんか半分ジョークのつもりで言ったからなぁ。
『総士郎くん、私も結婚したくなっちゃった』
『僕でよかったら、一回どう。ハハッ』
『いいよ』
回想。
「豊洲くん、シアターは我々の聖地でラッキースポットだ。映画を観たら、その帰りに『君といつでも一緒に映画が観たい』とか」
「そんな、ひねりのないのじゃつまんないし……。有楽さんに相談した意味ないじゃん。なんか、もっと奇抜なの……」
☆ ☆
「え、大白里さんホントに見たんですか? 都市伝説のシネコンの妖精鬼」
「う〜んもう三回は、一緒に。なんだか趣味が似てるのかなぁ。他に観客が居ないときに」
「大丈夫ですか、都市伝説ではその鬼と遭遇すると不幸になるとか、無理やり映画サークルに入れられるとか……。こっちは意味わからないけど」
「大丈夫だよ和津さん。アレを見るとその後はイイ事あったし、なんだか楽しん気分になるの。映画サークルって、アミはもともと入ってるから……」
「なるほど、都市伝説なんてホントに見た人にはかなわないねっ」
☆ ☆
マジ、居るのねシネコンの妖精鬼って。
やっぱり、満員とか観客が多いと居ないのか。
あたし、ホラー映画のエキストラとかやってるのに心霊体験とか、ぜんぜんないのよね。
そういうのは大好きなのに。
久々に平日のシネコン。
入がイマイチという自分がエキストラで出た作品を観に来た。
時間が来たので劇場内へ。
「6番です」
なんだか、忘れたが6は、あたしのラッキーナンバー。
6番の劇場に入ると。
うわぁ、ホントにガラガラだ。誰も居ないや。
あたしは試写で観たが、良かったんだよなぁ。
え〜と。ココだ。
「え!」
マジ、あたしの隣の席にナニか小さな鬼が!
『見ても、見えないフリを……』
大白里さんが言ってたわね。
「あ〜ガラガラだわ、あたしの貸し切りね状態ね」
大白里さんの言ってたようにポップコーンを食べながら映画を観てた。
妖精鬼は、映画が終わると同時に消えた。
一つ疑問が、鬼はどうやって売店に売ってるポップコーンを手に入れるんだろう?
だが、一度観てる作品なのに妖精鬼に気がいっても、なんだかわくわくして作品を観た。
鬼はあたしと同じシーンで笑って泣いて、驚いてた。
楽しかった鬼くん?
☆ ☆
徹夜の張り込み終え、朝になり交代が来たので、数寄屋橋さんと別れてマックで朝食を。
マックを出て近くにシネコンが、
ちょっと観たい作品がやっていたので徹夜あけだが朝一番の上映に。
思ったより、つまらない作品だったので僕は、寝てしまった。
期待して、初日の初回に観に来たが、超つまらなくて寝てしまった。
わたし木根間未来。
「お客様、上映が終了しました」
「わっ、寝てました僕」
僕の後方でも、おこされてる女性が。
あ〜終わったの気づかないくらい、久々に寝た映画だったわ。
ん、わたしだけでなく、もう一人。起こされてる人が。
「あ、ドコかで会いましたよね」
向こうに先に言われた。
たしかに会ったことあるいい男だ。誰だっけ?
寝てたのがひとりでなくて良かった。
劇場員に起こされたのが恥ずかしいかったが、もう一人居たから、なんか良かった。
☆ ☆
某小学校。
「ねぇ〜愛ちゃん、このまえ貸した『燃えよドラゴン』観てくれた? あの映画はさボクが今まで生きて来て一番好きになった作品なんだ」
あ、見てないや。
有楽太郎、最近あたしを『愛ちゃん』とか、呼ぶのよね。ちょっと仲良くなったからって、なんか嫌だわ。
『愛ちゃん』と呼んでイイのはママだけなのに。
「あのさぁ……新しい先生ってどんな人かな。美人だと良いわね」
と、思いきり話をそらした。
「みなさーんはじめまして」
ホントに美人の先生が来た。
「みんなのまえの先生が寿退職しまして、私がこのクラスをうけもつ事になりました。先生は、映画の映に高倉健の倉で映倉桃音といいます。桃は食べるフルーツの桃でネは音と書きます」
映倉先生はボードに名前を漢字で大きく書きながら。
「みずがめ座のA型です。趣味は読書と映画鑑賞ね、あと運動かな体を動かすのが好き」
「先生の好きな映画はなんですか?!」
隣の席の有楽太郎が。
「そうねぇ一番多く観たのはね『タイタニック』かしら。だから一番好きかな」
「ボクも『タイタニック』が一番好きでーす!」
ウソつけ、有楽太郎!
『燃えよドラゴン』だよね。
つづく




