サプライズ
21話
ホテルの寝室。
「寝たか? エイゾー」
「いや、逆に疲れて寝られない」
「オーストラリアへリターン。ビッグなサプライズОK?」
「なんだジョー。オーストラリアに帰ったらサプライズって、今言ったらサプライズじゃないだろ」
「ジョージ・ミラーマン、知ッテル?」
「あー知ってるよ。『マッドドライバー・マックス』の監督だろ」
「イエス・イエス・イエス」
「3度も、小田和正か……」
「ジョージ・ミラーマン、プロデュースで映画作るイエス?」
「え、ジョージ・ミラーマンプロデュースで映画が作れるのか!」
「イエス・イエス・イエス! でも、彼はジョーケンつけてる」
「ジョーケン? 何だソレはジョー?!」
「ミシェルをヒロインにする!」
「マジかよ、ジョージ・ミラーマンは、あーゆーのが趣味なのか……」
隣の部屋、寝室のベッド。
「むにゃむにゃ……。ウチが主役だっちゃよ……。エイゾー好きたっちゃ」
☆ ☆
「数寄屋橋さん、僕はマリオンにフラれたんでしょうか?」
「どうした石原」
「最近、デートは、すっぽかされて、電話は通じないし……」
「そうなのか、俺は忙しいから、最近サークルに顔出してねぇから会わねんだ。まぁアレはなぁ変人だからなぁ大丈夫だと、思うぞ。ホラ、こないだ張り込みにも顔出しただろ」
「アレが原因じゃ……」
「ソレはねぇよ、あいつ楽しんでた。元気だせ、オレが元気の出る映画を奢ってやるから」
シネコンで。
数寄屋橋さん自販機でチケットを。
「ほら、一番前の席だがなぁ。こいつは面白いぞ」
え、『クマ助の珍冒険』。
「数寄屋橋さん、コレ5回目じゃ。僕、『鬼滅の八重歯』観たいです!」
☆ ☆
方賀映造、オーストラリアへ。旅客機の中。
う〜ん今度日本に帰るときはオレはプロの映画監督た。
コレで愛しのキーラ・ナイトレイに一歩近づいた。
待ってろキーラ、次のキミの新作はオレが監督だ。
「エイゾー、アヤノがレター渡せと」
え、ミシェルに?
なんだろう。封を開けてみると。
フレー、フレー、エイゾー
ガンバレガンバレエイゾー
なんだ子どもの手紙がぁ。
あなたのキーラより
誰がキーラだ。
綾乃、オレはマジなんだよ。
キーラ・ナイトレイはオレの鼻の先に。
☆ ☆
「メンゴ、メンゴ。さとみちゃん。デートの約束忘れてたよ。私、思いつきで行動しちゃいます。突然、モンゴルに行きたくなり行ってたのモンゴルに」
「そうか。僕、てっきりフラれちゃったのかと」
「アハハハハ、グッドジョークね。付き合ってもいないのに、フラれませんわ」
「えっ」
☆ ☆
「数寄屋橋さん、失恋しましたあ〜僕ぅ……」
「やはりダメだったか」
「僕は、まったく相手にされてなかったんです。まるで喜劇です。トホホです」
「まあそう気を落とすな。アレとな、うまく恋愛出来るやつは、そーいねぇんだ」
近くのシネコンで。
「なあ映画でも観て元気出せ」
「『クマ助の珍冒険』は観ませんよ」
「違う『ジャングル・キッズ』だ」
「数寄屋橋さん、ソレは先週観ましたよね!」
☆ ☆
「ええっ、二人目が」
「ええ、総士郎くん。今度は女の子だとイイね。まだわからないの」
「ソレはめでたい。女の子ならマリリンに……」
今度は僕の命名で。
「あのさぁ……。わかるわよね、総士郎くん。映画は月に一本よ。配信もダメだからね」
「は、はい一本でも観れれば幸せです」
進之介が生まれたときは月に3本観てたのに。
☆ ☆
活堂邸。
「力、強、あのなぁわし、再婚する事にしたんだが……」
「ホントか、親父」
「わたし、父さんが決めた人なら……」
「親父と結婚してくれる女が居たのか……。できた女だなぁ」
「で、彼女な、ココに来てるんだ。おーい入ってこい!」
ガチャ
「ハーイ、マリオン三越でーす。ママと呼んで」
まじかよ。うっ!
「兄さん、どうしたの? 兄さんが泡吹いて気を……」
「心の弱い奴じゃ……」
つづく




