マリオンとデート?
19話
某居酒屋。
「カンパーイ」
なんとなく呑みたくて、一人で居酒屋へ。
いつもならエイゾーと。
あれ、あっちで盛り上がってる女性たち、見覚えが。
あ、エイゾーの映画好きの親戚さんたち?
「おはよ……。あ、こんばんわか」
映画製作時に芸能人なれして業界挨拶をしてしまった。
「誰かと思えば、方賀くんの映画の。おはよう〜」
おはようで、つうじたか。
「篠原綾乃です。お久しぶりです。みなさん」
「一人?」
「はい」
「方賀くん、海外でしょ。寂しいでょ〜。こっち座りなさいよ」
それからあたしは。
オーストラリアのエイゾー。
みんなで、映画を観てお酒を呑みながら映画を語りあって、シネマディクトの会で楽しんでます。
エイゾー、早く帰って来い!
あなたの綾乃より
ああ……。綾乃、おまえサークルなんかダサくて入らないとか、言ってたろう。
ソレに、『あなたの綾乃』って、なんだ。
☆ ☆
「石原、そわそわして、どうした。トイレなら、あっちにコンビニがあったぞ」
「違います。実は約束があって、時間が。無理みたいですね。やっこさんアパートから出そうもないし……」
「だろうな、ヤロー女連れ込んだからな……」
「ですよね、ことわりの電話かけてきます」
「おい、まさかデートとかか?」
「まあ…」
「行って来い、ココは俺が一人で」
「そうはいぎせんよ。ことわりますから。仕事なんで」
「おい、まさかデートの相手って三越デパートか」
「マリオンです」
「なら……」
数寄屋橋さん、こんなコトして。
「張り込み、なんて〜はじめてです。映画みたいで、わくわく」
彼女を呼んだら、来た。
☆ ☆
「有楽さん知ってます。鉄道オタクの女の子を鉄子っていうんですよ」
「そのくらい僕でも知ってるよ」
「ですか……。じゃ映画オタクの女の子は?」
「映子かな……」
「そんな、鉄子の方はなんとなく鉄道オタクとわかりますけど、エイコじゃ普通すぎて。わかりませんよ」
「それじゃキネコとか」
「なんか、キネマさんみたいですね。とくべつ呼び名がないから、ボクが考えましたギンコです」
「ギンコ?」
「銀幕の銀子です。シネコよりイイでしょ」
「死ね子は、たしかにまずい。しかし、豊洲くん銀幕とは、君も古いなぁ……。いくつだっけ」
☆ ☆
シネコンコンコンの真砂三姉妹。
「沙織さん結局、入会者が一人も集まらなかったわね」
「そうね、なんでだろう詩織さん」
「そりゃーあんたらが陰気くさいからみんな引いちゃったからよ」
「言いますわね、千織さん。あなただって、私たちと変わらないじゃない」
「まあまあ二人共、しょせん私たちって、会の代表って人間じゃないのよ」
「そうね、サークルを作るのはやめましょ」
「でもさぁはじめに来た石原って人、いい男だったよね」
「沙織さんもそう思った」
「詩織さんも。また会えるといいなぁ……」
某カフェ。
「会長、あの三人の区別つきます?」
「だから、会長は〜。キネマちゃんよね」
☆ ☆
「キタローが、外人顔ってどーなんだ」
「目玉親父つるつるCGでさ、生物感ないな」
「意匠さえ、同じならっていうコスブレ劇の実写化も困ったもんだよ」
「ルパン三世のマーシャルアーツ映画もよくわからない」
「あの、あしたのジョーの実写化はなんだったんだ……。後はどうしたカーロスやホセ・メンドーサ戦、観たかったのに」
「コケたんですよ」
「少女漫画のラブラブ実写は俳優勝負だよな!」
「あのさぁ〜オヤジたち、グダグダとうるさいのよ。原作とか、知らないわよ! わたしは、キタローもジョーも、少女漫画の実写でもイケメンならイイのよ!」
そうよ、宝束さん。わたしもキタローの原作なんか知らないわ。
☆ ☆
夏がくると海水浴にシネマディクトの会で。
「ソーレ」
パーン
「キャツ、キャツ」
なんでか海に来ると普段スボーツなんかしないのにビーチボールとかでバレーしちゃたりするのかな。
で、海水浴場だからって、マジに泳いでる人もいない。
「あれ、有楽さん一緒に来てたよね。海には居ないわね」
「木根間さん、有楽さんは砂浜のパラソルの下です」
「有楽さん、それって……」
「ああ、キネマちゃんか。ノートパソコンでね映画観てるんだ。やっぱりサメ映画がイイね。ビーチは大騒ぎだ!」
☆ ☆
某シネコン。
「あ、すみません。前いいですか」
「あ、どーぞ」
うわぁラッキー。隣は無茶美人の金髪の外国人?
「おそいなぁ〜。ウンコかなぁ」
うわっ美人の口からウンコなんて。
日本語がうまいなぁハーフかも。
しかし、あんな美人の彼氏は、どんな男なんだ。
「おそいですシャチョーさん、ウンコですか」
「いや、トイレ混んでてな。はいマリーちゃん。ポップコーン食べる?」
げっ、親父!
☆ ☆
観る会の二次会居、某酒屋で。
「学校の映画祭で、オレの監督した作品がグランプリ。近いウチに日本に行きます。方賀映造。だって。エイゾーが帰って来くる」
「方賀くんスゴイわねぇグランプリだって」
「彼ならやると思ってたよ」
「方賀くんの作品観たいですぅ」
一方、オーストラリアの映画学校。
「イイみやげが、出来て良かったなエイゾー(英語)」
「あ、ああ」
「キミは素晴らしい監督だ!」
「あーサンキュー」
しかし、まだ英語は苦手だ。しかもオーストラリアなまりだし。
褒めてくれてたのは、なんとなくわかったが。
グランプリは、嬉しいが。
実は作品が日本の昔話の現代版だから、日本人には見せられない。
誰でも知ってる話だ。
つづく




