オールナイト5本立て
11話
有楽さんの新婚旅行。
「映画ファンの聖地ハリウッド、そして本場のディズニー&ユニバーサルスタジオ、そしてイタリアは「ローマの休日」のロケ地や他の国へ、行き映画の聖地巡礼エトセトラ、エトセトラ」
「スゴイわぁ世界一周映画の旅ね有楽さん」
「ヨーロッパだげじゃなく、アジアへも上海や香港、韓国も……」
「さすが有楽さんグッドハネムーンね」
「ああ、マリオン。僕はこの日のために貯めたからね……。結婚をもう少し遅らせればもっと、行きたい所行けたが……」
「花嫁さんの気が変わらないウチにですか?」
「そう……。イヤイヤ、そんなコトは。ただねぇ嫁さんは、僕ほど映画ファンじゃないんですよ、で途中で別行動。最後に成田で再会っていうちょっと寂しい旅行でして……」
「成田で別れるよりいいんじゃない」
☆ ☆
「会長、昔お正月映画にもなった3大スターの出た、あの映画は見ました?」
「正月映画の3大スター……。観たわよ日本が舞台の大作でしょ?」
「大作、ん、まあ派手にやってました」
「そうよね」
「で、3大怪獣のゴジラ、モスラ、メカゴジラのどれがお気に入りですか?」
「え? 『ラストサムライ』じゃないの……真田広之好きなんだけど」
怪獣の3大スターって、言わないでほしいわ。
☆ ☆
豊洲健太のお正月。
1月1日は、リサイクル・ショップで見つけたプロジェクターで、家の居間にスクリーンを取り付け、約100インチのスクリーンホームシアターにし、映画三昧出来るようにした。
ホームシアター完成の、その日は10回目の『キル・ビル』を観た。
翌日2日目は、実に37回目の「クレージーモンキー笑拳」を観た。
そして3日目は「ワンチャイ2天下大乱」を、コレは50回目。
「有楽さん、こんな正月でいいんですかねボク」
「いいのだよ豊洲くん。ソレは正しい映画ファンのすごし方だよ、僕なんて結婚の準備やらで、忙しくて映画を一本も観ていないんだ……」
☆ ☆
3日の夜、マリオンとアミちゃん、わたしでオールナイトに行くと。
「おねえさんたち、ドコへ行くの? ボクたちとカラオケ行かない」
向こうも三人の連中にナンパされた。
「ああ残念ね、わたしたちコレから映画を観に行くから、カラオケには行けないわ」
「映画に……。おう、どうする」
「映画に付き合うよ、終わったらカラオケどう?」
「キネマちゃん、どうする?」
「どうするってオールナイトよ。終わったら朝だよマリオン」
「おにいさんたちがおごってくれたら、いいわよ」
「ああいいよな、みんな。で、ナニ見に行くの?」
「『女番長野良猫ロック』と『怪談昇り龍』『女囚七〇一号さそり』に『銀蝶流れ者』ソレに『修羅雪姫』5本立てオールナイトです。おごってくれるんですか、嬉しいです」
「知ってる映画あったか?」
「ぜんぜん知らねぇよ〜」
「バカ、そんなコトより5本立てオールナイトなんか付き合えるかよ!」
「ああ、ごめんね。用事を思い出したから、また縁があったら……」
「あ、行っちゃった……」
☆ ☆
観る会の二次会のカフェに入会希望者のオジさんを呼んだ。
「わしな、入会希望の活堂映吉ぢゃ48歳、会社経営をしている。社長ってやつだ。ヒッヒヒヒ」
もろオヤジだ。ぽっちゃりタイプの口髭でバーコード頭のおっさんだわ、会長。こんな人も入れるの?
「活堂さんは、どんな映画がお好きなんですか?」
「面白ければなんでも観るわい、グッヒヒヒ。そうだな髪金のグラマー姐ちゃんが出てくりゃ言うことナスだ。うっひひひひ。でもねぇいくら髪金お姐ちゃんでも、ホラーはダメなんぢゃ。オバケと血は、いかんなぁ」
「会長ぉどうします……」
「う〜ん……」
「モンローはイイね、ブリジット・バルドーもイイ。ソフィア・ローレンもいいが若い時がわしゃタイプだ。ガッハハハ」
「おージイさん、映画は女だけじゃないぜ」
あ、ヤバくない。数寄屋橋さんがおっさんに。
「そうぢゃなにいさん。わしゃ動物モノとか、好きでな。動物家族のドキュメントとか観たら、ジーンと。そうた、『ベイブ』とか」も好きでの。思い出すと……」
「ジイさん、あんたわかってるな。わが、同志だ」
え、二人でハグしてるし。
「会長……」
「入れましょ。老若男女。いろんな世代が居た方が面白いわ」
☆ ☆
月日は流れる、お正月が過ぎ春に。有楽さんは、結婚して新居に。
「総士郎くん、赤ちゃんできたわ」
「え、ホントに!」
「ええ、今日病院に行ったら、3ヶ月だって」
「ソレは……。名前を考えなくては、女の子だったら……オードリーかマリリンとか国際的なのにしよう。で、男の子だったら三十郎がいいか。コレはぜったいだ」
「ソレはイヤッ、ぜったい!」
「ああ、女の子なら椿にして、次の子は男を。で三十郎だ」
「総士郎、聞いてる? 三十郎は、い・や・な・の」
つづく




