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45歳サラリーマンですが、自転車にひかれたら勝手に魔王に転職してました

 

 「お前は何度このミスをしたら気が済むんだぁ!!」

 上司の怒号が社内に響き渡る。

 「本当に申し訳ございませんでした……」

 俺は頭を下げ、謝罪の言葉を繰り返す。だが、いくら謝っても上司の怒りの沸点が下がるはずもない。

 「お前はそれしか言えないのか!!!」

 「はい……すいませんでした………」

 なんだこの台詞。**「お前はそれしか言えないのか!」**なんて、学校の二次創作でしか聞いたことがないぞ……まさかリアルで聞くことになるとはな……

 こんなやり取りが数時間続き、「説教タイム」はようやく終わった。

 「お前、次同じミスしたらクビだからな!!」

 捨て台詞を吐き、上司は退社していった。

 その背中を見送りながら、心の中で毒づく。ミスをするのは、お前が毎回説教するから集中力が持たないし、モチベも湧かないんだよ……と。

 自分のデスクに戻り、説教で止まっていた仕事を片付ける。残業を数時間かけ、ようやく終わらせた。

 「クソ上司め、お陰でこの時間だ。労基に訴えてやる……!」

 誰にも聞こえない小さな声でぶつぶつ言いながら、帰宅路を歩く。

 その時、誰も聞いたことのないような怒号と、甲高い自転車のベルの音が、同時に俺の耳を貫いた。

 ドォンッ!!

 衝撃と共に、俺の体は宙に吹き飛んだ!

 「え、何これ!?」

 強烈な勢いでぶっ飛ばされ、宙でそう思ったのも束の間、俺は地面に叩きつけられる。

 あぁ……痛い……痛すぎる………

 叩きつけられた瞬間、間違いなく骨が折れた音と、周囲の人間が発する心配の声が辺りに響き渡った。

 相当な衝撃だったのだろう。痛みと共に、視界が暗くなっていく……

 俺の人生……ここまでか……良き………良くない……

 走馬灯が流れる。中の良い友達と焼肉に行った記憶……だが、それもすぐに、あのクソ上司の説教にもみ消された。

 あの上司………お前呪ってやるからな………お前のせいで………………

 意識が落ちる最後、俺は全力で上司に**「俺特製の呪い」**をかけた……………

 「…………様!……………………イ…………様!!」

 なんだろう……幻聴か………

 薄く、言葉が俺の耳に届く。

 「イリード様!!大丈夫ですか!?」

 今度ははっきりと、誰かが誰かを呼ぶ声が聞こえた。

 「大丈夫でございましょうか……イリード様」

 う〜ん……視界が晴れて、目の前の景色が見えてくる。

 俺はその光景に圧倒された。

 「な………なん……なんじゃこりゃあ!!!!」

 目の前の景色は、まさしく戦国時代のようだった。大勢の人間?いや、人間じゃない。大勢の人型の何かが、別の人型と戦い合っている。言うならば**「戦」**。

 俺は、座り心地が良くて高級そうな椅子に座り、遥か上空からその光景を眺めていた。

 「えっと……本当に大丈夫でございましょうか……」

 「い……いや……も…問題ない………す…少し席を外す」

 俺は咄嗟に場の空気を察し、「少し席を外す」と告げ、駆け足で辺りを散策した。

 散策していると、いくつか分かったことがある。さっきまでいた部屋の左側には、ホテルのように数え切れないほどの部屋がズラッと並び、右側には恐らくトイレや、どデカい銭湯が多々あった。

 そして一番重要なこと。俺が元々いた部屋には、**『魔王様の部屋』**と、書かれていたことだった……

 このことから察するに、恐らく俺はラノベとかでよくある**「異世界転生」**をしてしまったんだろう……………自転車に轢かれて。

 しかも俺45歳だよ?ジジイだよ、ジジイ。こういうのってもっと若者がやるものじゃないの?しかも自転車に轢かれて異世界転生なんてシャレにならん。普通トラックとかじゃないのか……?

 だが、周りの景色に気を取られ、遅れて俺はあることに気がつく。

 あれ?俺の身体……………

 そう思い、自分の身体をベタベタと触る。

 若返ってるううううううう!!!!!????

 過去類を見ないほど驚いた。会社の取引先で大手と取引できた時よりも驚いた。驚きすぎて声に出したかと思ったが、あの側近みたいな人が来ないってことはセーフだったのだろうか?

 だが状況は理解した。俺は異世界転生をしてしまい、魔王に転生してしまった。そして、確証はないが、恐らく今は魔王軍と勇者軍で戦っているのではないだろうか。

 外を覗くと、争いが続いている。黒い羽根を生やした者達が、白い羽根を生やした者達を微妙に押していた。見たところ、悪魔が天使を押してるってところか?両方予想以上に分かりやすい見た目だ……

 これからどうするか。自転車に轢かれて魔王軍の魔王になってしまったわけだが………

 無論、俺は格闘技の経験なんてゼロに等しい。急に「戦え」と言われても無理な話だ。

 「見つけたぞ!!お前が魔王だな!!!!」

 バリーンッ!!

 突如窓を突き破り、神々しい見た目の槍を持った天使が、俺の目の前に現れる。

 ほ〜ら言わんこっちゃない。自分で言うのもなんだが、今の発言、フラグが立ってたんだよね〜。

 「ふっ……俺が魔王だと?そんなわけがないだろう?」

 とてつもなくまずい状況のため、俺は咄嗟に嘘をつく。

 「なんだと?ならばその服はなんだ!!!」

 自分の服装をみてみると、「私は魔王です」とでも言っているような、派手な服だった。

 やばいってぇ……これどうすんのぉ?

 「魔王!覚悟!!!」

 俺に考える時間を与えず、敵が槍を構え、突き刺しに来る。

 なんかないのか!?魔王ならこう……敵を吹っ飛ばすみたいな超強力魔法が!!

 だが、そんな奇跡が起こるはずもなく、敵の槍の動きは止まらない……

 ああ……俺……また死ぬのか………

 そう思った直後、敵の持っていた槍が弾かれ、俺の目の前に人影が現れた。

 現れた影は槍を弾いたと同時に、俺を狙ってきた天使の体を、頭から真っ二つに両断する。

 まさしく一瞬の出来事。俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 「魔王様を切り捨てるなど、この俺が許さん」

 そう言い残し、この場を離れる時、フードを深く被ったその男の顔が、ちらりと見えた。

 その顔は、まさしくイケメン。男の俺でも思わずキュンとしてしまうほどだ。

 眉毛まで伸び、目元に少しかかるくらいの美しい青色の髪。千人に一人レベルの美顔…………羨ましい!!

 だが、さっきの天使……あいつがあそこまで来たということは…………

 俺の仲間だと思われる悪魔軍が……押されている?

 外の状況をみてみたら、あらびっくり仰天。さっきとは状況が全く逆だ。今度は悪魔軍が押されていた。

 その事実を認知した途端、城の中が慌ただしくなり、戦っている音が城の中に響き渡る。

 なんだ……この一瞬で何が起きた……?

 まずいな……このままだと俺のところまで敵が来てしまう…………

 なんとかなるか……?少なくとも隠れれば時間稼ぎにはなるだろうか……

 そう思い、あたりに隠れられそうな場所を探したが、一向に見当たらない。

 だが、もし俺が本当に魔王だとすれば……さっきのイケメンのように、誰かが守ってくれるかもしれない……

 それに賭けるしかない。

 まさしく藁にもすがる思いで、俺は地面に座り、目を閉じた。


皆様!はじめまして!!このたびは「45歳ですが自転車にひかれたら勝手に魔王に転職してました」一巻を読んでいただき、ありがとうございます!!初めて小説を書き、初めてこのサイトに転載したので、誤字脱字など至らないところはあるかと思いますが、これからあるかわかりませんが、よろしくお願いします!!!


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