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だから、何で分かるーっ

本当に驚いた顔をしていたんだろう。

斉藤さんはぶはっと噴出すように笑うと、ビールをごくりと飲み干した。

「見てれば分かるぜ？　瑞貴のこと。なんでお前が分からないのかが俺には分からん」

なんでやーっ

加奈子といい、課長といい、斉藤さんといい……

「間宮も気付いてるけど」

――間宮さんといい……

って、つながってる人、全部じゃん。

「え？　じゃぁ、私だけ知らなかったってことですか」

「うん」

マジですか……

ちょっと、へこむ。

ある意味、課長が言ってた「お前は鈍感」を全肯定された気分です。

「で？　どっちと付き合うの？」

がっくりしている私の横で、店員さんが運んできたビールのピッチャーを手酌で注いでいた斉藤さんは、満面の笑み。

「え……？」

思わず聞き返すと、斉藤さんはビールを一気。

あの、その飲み方は身体に悪いです。

斉藤さん、強いんでしたっけ？　弱いですよね、それダメです。

身体に悪いです。

と、違う方へ頭を廻らせていた私の頭に、斉藤さんのでかい手のひらがのる。

「久我？」

あぁぁぁ、ごまかせませんか？　ねぇ、ごまかせませんか？

「吐くまで、かえさねぇよ？」

――ダメみたいです