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15

「逃げたってことは、俺が飯に誘った理由。分かってるって事だよなぁ、久我?」

針のむしろです。

ていうか、針を投げられている感じです。

斉藤さんの目が据わっております。


会社から少し離れた場所にひっそりとあった、小さな居酒屋。

斉藤さんがよく来るというこの店は、自分的には雰囲気は好き。

今の、この状態じゃなければ。

静かだし、ほぼ個室だし、なんか人いないし←失礼

話が話だけに、会社の奴らがいないところを選んだ俺に感謝しろ、と先ほど斉藤さんが笑っておりました。


いえ、感謝して欲しいなら私を解放してください。


向かい合って座る斉藤さんは、勝手に頼んだおつまみとビールを既に食べ始めていて。

私にも勧めるけれど、そんな気になれないのは当たり前だよね?


「久我、絶対課長と何かあっただろ」


これですよ。

予想を裏切らず、やっぱりこれだった。


「な……なにも……?」

へらりと、ぎこちない笑いが私から漏れる。

――ぎこちなさすぎだからっ

「嘘だな。ほらほら、おにーさんに言ってごらん? じゃないと、部署で冷やかすよ」

「それはナシ!」


部署ってことは、哲もいるからっ。

そんなことしたら、居た堪れないどころの話じゃないっ。


それまでしどろもどろだった私がいきなり断言したものだから、一瞬口をあんぐり開けた斉藤さんは次の瞬間にやりと笑った。

「なんかあるんだろー、今ので肯定したも同じだけどな」

あぁ、自分の馬鹿。


がっくりと肩を落としている私を見て、斉藤さんは小さく息を吐く。

「まぁ、大方予想は出来てるんだけどな。三角関係?」

「はっ?!」

なんでそこまでっ

俯いていた顔をがばっと上げた私を、面白そうに見る。

「分かりやすいなぁ。だって、課長に告白されたんじゃないの? だとしたら、がっつり三角関係だろ」

「え、だって、あれ……?」

「瑞貴がお前に惚れてて、課長が告ったなら三角関係じゃん」


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