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「私、上がりますんで。書類、机においておきますね」
パソコンの電源が落ちる音を聞きながら、課長に声をかける。
貫徹してから、既に土日挟んで四日目。
あの日が効いたのか、泊まりもなし、遅くまでの残業もなしという、他の部署とおんなじ様な勤務体系に、懐かしくて涙が出ちゃう。だって、女の子だもん♪
「そうか」
いつもの如く、課長からは一言返事。
その代わり、間宮さんが見ていたパソコンから顔を上げて私を見た。
「さすがに、徹夜して仕事進めた甲斐があったね。先週から残業なしじゃない」
癒されます、間宮さん。
あなたのそのほめ言葉。
私は鞄に小物を入れながら、にこりと笑う。
「今日が木曜だから明日も残業なければ、この部署に来て初です! 残業なしの週」
「そっか、良かったね」
はい、と頷きながらパチンと鞄を閉めて、椅子から立ち上がった。
「じゃ、すみません。お先です」
小さく頭を下げて、部署を後にする。
廊下の窓から見える風景はさすがにもう真っ暗だけど、六時台に帰れるなんて商品管理課にいた頃が懐かしいわ。
課長も間宮さんも、今日は遅くまで残業やるのかしら。
間宮さんは、金曜日に残業をしないように仕事を組み立ててるみたい。
ほら、彼女さんがね。
大体、週末は一緒に過ごすんだそうですよ。
熱い熱い~
課長は、マジでいつ帰ってるのか分からない。
仮眠室に部屋作ったほうがいいんじゃないだろうか。
――そういえば、どこ住んでるんだろう?
斉藤さんは、確か外勤。
もうそろそろ戻ってくるはずだけど、まぁいいや。
心の中で、お疲れ様でーす