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美咲が企画室で座り込んでいる頃。

そこから出て歩き出した哲は、昼のことを思い出していた。



――――――


「瑞貴。お前、久我の事好きだろう?」


いきなり言われて、面食らった。

 

「あいつは言わなきゃ分からん女だぞ? どうせ俺もお前も男として見られていないんだ。言うなら早く言った方がいい」


気づかれてたのか――。美咲はちっとも気づかないのに。


「まぁ、お前が言おうと言うまいと、俺は遠慮なんかしないけどな」


その表情が、あまりにも余裕に見えて。

つい、何でそんな事――と、突っかかってしまった。



――だから、まだ子供だっていうんだよな。


年下の自分には無い余裕。

仕事も、頑張ってそう見せているだけで。


ビルから出て、後ろを仰ぎ見る。

まだ電気のつかない、企画室。

――課長に揺れても……か

自分で言った言葉に、苦笑い。


そんな余裕、どこにあるんだか……

今だって、動悸が収まらない。


もし課長が美咲に触れたらと思うと、気が気じゃねぇ。

本当は出張なんていきたくねぇんだけど。


まじめに仕事に取り組む美咲を、ずっと見てきた。

彼女に恥じる仕事だけはしたくない――


内心の葛藤を表情の下に隠して、翌日二週間の出張へと旅立った。



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