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R15……に入りますかね……?
苦手な方、回避願います
目を見開いたその先に、哲の顔。
――って……一体、何が……
「――んっ?」
唇をなぞる湿った温かい、それ、に思わず声が出る。
ちょっ、ちょっとまてっ!
顔を反らそうとしても、手でがっちり押さえられているからそれもできない。
唸ってみても、哲の腕は解けない。
それでも頑張って、口を閉じ続ける。
哲は、顎に触れている手を首筋に移動させて。
その指先の動きにぞわりと背中に何かが這い上がってきて、思わず引き締めていた口が緩んだ。
それを見逃さず、哲の舌が奥へと侵入する。
ちょっ、待て! うーっ!
どうにか逃げようとする私の舌を、哲のそれが絡めとる。
吸い上げられれば苦しくて。
それでも哲は、やめてくれない。
空気が足りない――
苦しい……
力が入んない……
掴んでいた哲の腕から、手が外れて下におりる。
ただ、哲の腕の力と耳につく水音に、頭の中が溶けていく。
「ん、や……っ」
何が、起こってるんだろう――
呆けた頭では考えられない。
とにかく私を押さえつけているのは、哲で。
目の前というか真後ろというか――
どれだけの間、そうしていたのか分からない。
少しも経っていなかったのか、それ以上なのか。
時間の感覚も、身体の感覚もすべて記憶の向こう側にあるみたい。
しばらくして背中に何かが当たる感覚に、うっすらと目をあけた。
「……て……つ?」
いつの間にかドアの横の壁に身体が押し付けられていて、目の前に哲の顔。
怖いくらい鋭い視線が、私に向けられていた。
「俺は、お前の事が好きなんだ」
「――え……?」
なんだか、頭がついていかない。