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体を入れ替えられて聖女では無くなったけど何も問題ありません  作者: アイ氏
2章シオン聖国の異端審問官

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ファーストダンス


今日は朝から謁見式に出席する為の準備に追われて、とても大変だった。


私はフレイヤ公爵家の養女として謁見式に来ている。


謁見式とは、クリーガァで領地を持つ貴族の式典で領地から王都へ来た事を、国王陛下に報告する為に起こなわれる式典だ。


全ての領地貴族が国王陛下に挨拶を済ませたら、その後は国王主催のダンスパティーがある。


クリーガァ王国には公爵位十家、侯爵位二十家、伯爵位二十家 子爵三十家男爵四十家と全部で百二十家の領地貴族が存在する。


家の序列から順番に国王陛下との謁見が起こなわれるのが決まりだった。



今日は養父である公爵閣下が私をエスコートをして、公爵夫人は私の付添人として参加した。



フレイヤ公爵家は三番目と、かなり早い順番。



そして入場の順番になると、私達の名前が呼ばれ謁見の間の扉が開かれた。


玉座に座る国王陛下を中心に、左には王妃様、右には王太子殿下、そしてその隣りには第二王子であるセインフォード殿下が座っている。


第三王子のリーンハルト殿下は、まだ成人前なの公の場には出席するとはなかった。


アルティミで、こうした公の場に一人で出席したら、とても緊張するけど、今の私は一人ぼっちじゃ無い。


それに以前、非公式に国王夫妻や、セインフォード殿下のお兄様である王太子殿下にも、お会いして気さくで優しい方々だと知っていたので余り緊張せずに済んだ。


国王陛下から、私達にお言葉が掛けられ、私達は国王陛下に挨拶をして謁見式は無事に終わった。


そうして謁見式が終われば、今度は国王主催のパティーがはじまる。


パティー会場ではフレイヤ公爵夫妻が親しい人達に挨拶をしながら、私を紹介して回る。


その度に私は笑顔を作り挨拶を交わした。


そして一通り挨拶回りが終わった頃にはダンスがはじまった。


最初にダンスを踊るのは国王夫妻。


その国王夫妻のダンスが終わったら招待された私達が踊る事が許される。


最初のダンスの相手は、近しい身内や、婚約者、夫婦と決まっている。


私が最初にダンスを踊るなら、養父である公爵閣下だけど…。


そこへセインフォード殿下が私達の所にやってきた。


謁見式で遠目に、その姿を見た時も思ったけど、今日、殿下が身に付けている衣装は大礼服と呼ばれる軍服に似た王族の礼装だった。


金の飾緒とエポレットが付いた漆黒の装束、肩から斜めに掛けられた瞳と同じ色のエンペラーブルーのサッシュ、そして胸元の勲章が華やかを際立たせていた。


普段一緒に居て殿下の軍服姿を見慣れて居ても、今日の殿下の姿は、とても華やかで、私のドキドキは止まらなくなった。



「ご令嬢。私とファーストダンスを踊って頂けませんか?」


そう言って、私の方に手を差し出してきたので、私の緊張は一気に高まった。



 私が最初に踊る相手はエスコートしてくれた公爵閣下なので、私が殿下の手を取るのを躊躇って居たら、公爵閣下は私に「踊って来なさい」と言って背中を押してくれた。


だから私は精一杯、冷静を装って彼の手を取り笑顔で返事をする。


「はい。喜んで//」


セインフォード殿下は私の緊張を察したのか、優しく声を掛けてくれる。


「マリア。大丈夫だ。私がリードするから。一緒にダンスの練習をした時の事を思い出して」



そう言われても、私のドキドキは止まらない。


そうしている内に、ゆったりとした優雅な曲が流れ始めた。


私は殿下のリードに従ってステップを踏み出す。


その言葉の通り殿下のリードは的確で、私はミスすることなく踊りきれた。


その後は二人で、テラスで話したり軽く食事をしてパティーを楽しんだ。



◇◇◇


ー翌日ー


昨日のパティーの疲れから、私は思いっきり朝寝坊をしてしまった。


だから急いで支度を整え様とカロリーナを呼んだ。


「マリア様。おはようございます」


「おはよう、カロリーナ。寝坊してしまったわ。だから急いで支度をしてくれる?」

私がそう言えば、カロリーナは落ち着いて返事を返す。


「マリア様。大丈夫ですわ。公爵閣下も奥様もまだお休みですから」

私はその言葉にホッとした。


「そうなのね。良かったわ」


それなら、もう少しゆったりさせて貰おうと、薄いガウンを羽織りナイトドレスのまま、近くのソファに腰掛けた。


そこへノアールも姿を現す。


「マリア。起きたのですね。おはようございます」


「ノアール。おはよう」


「出発の時は、初めての社交で緊張した様子でしたから心配してましたが、セインフォード殿下と楽しい一時を過ごせた様で何よりですわ。ファーストダンスのお相手も殿下で良かったですわね」


「え?なんでノアールがパティーの事を知っているの?」


「ああ。それは、こちらの大衆紙(タブロイド)に記事がありましたので…」


「大衆紙?!」


ノアールが見せてくれた大衆紙の一面には、大きな見出しがあり『セインフォード殿下に恋のお相手が?!』と思わせぶりなタイトル、そして私と殿下がダンスをする挿絵も大きく入っていた。


更に記事を詳しく読み進めれば、昨日のパティーの様子や、ロザリアさんの過去等も色々と書かれている。


はっきり言ってスキャンダルだ。


セインフォード殿下や公爵家にも迷惑が掛かるかも知れない。


そう思うと、私は困ってしまった。

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