わたしのかわいいわんこ「はなまる」のゆめのなかをのぞいてみた。
「ふわ~……ん?」
朝おきて、わたしがあくびをしながらリビングにいくと、いつものわんこ用のまあるいねどこで、はなまるが足をパタパタさせながらねむっていた。はなまるは、わたしのおうちでかってる、はすきー?っていうしゅるいのわんこのおなまえ。
「どんなゆめ見てるのかな?」
わたしは3さいくらいから、ふしぎなちからをもっているの。それは……ねてる人やどうぶつのゆめをのぞけるということ。
わたしははなまるの見てるゆめが気になって、はなまるのおでこにこつん☆と、じぶんのおでこをくっつけた。こうすると、はなまるの見てるゆめが見えるの。
すると────
『ワンッ!』
『すごーい、はなまる!お空とべるんだ!』
はなまるのゆめをのぞいてみると、はなまるはわたしをせ中にのせながら、お空をとんでいた。とんでるというより、お空をはしっていた。わたしはゆめを見れるだけで、ゆめの中には入れない。はなまるのせ中にのっているわたしは、はなまるのゆめの中だけのわたし。まぼろしのわたし。
……わたしがわたしのことを見てるなんて、へんなかんじね。
『わん!わんわんわん!』
『きゃっ!どうしたの、はなまる?』
するとはなまるは、キラキラとめをかがやかせてはしるスピードを早くした。そのさきには、ドッグフードのお山があり、そのお山には、はなまるの大すきな大きな大きなビーフジャーキーがささっていた。
『わふわふ!』
はなまるはパタパタとそのお山にはしっていくと、ドッグフードのお山にかぶりつきそして、はぐはぐと食べはじめた。おいしそうにドッグフードを食べるはなまる。そういえば、そろそろわたしの朝ごはんのじかんだ。そう思っていたらグーッと、わたしのおなかがなった。
はなまるはそのお山のドッグフードと、お山にささっていたビーフジャーキーをぜんぶ食べると、はなまるはおなかをぽんぽこりんにふくらませながら、まんぞくげにぺろんとベロでおくちをなめた。
『よかったね、はなまる!』
『わふん!』
と、はなまるがしあわせそうなおかおでへんじすると、はなまるはめをさました。
めがさめるとはなまるは、ゆめの中であんなにたくさんのごはんを食べたのに、お母さんの「はなまる~ごはんよ~」という声をきくと「わふんっ!」と目をキラキラさせながら、お母さんのところにはしっていき、はなまる用のごはん入れにやまもりに入れられたドッグフードに、はなまるはうれしそうにかぶりついた。
わたしはおいしそうにドッグフードを食べるはなまるを見ながら、グーッとまたおなかをならすと。
「いつか、はなまるのゆめに入って、いっしょにはなまるとお空をとびたいな」
とはなまるにいって、あたまをなでた。するとはなまるは「わふっ!」とわたしに向かってないた。