目覚め
俺は身体が動かずともずっと待つ。魔王達は俺の石化した体をオウガスト城から運び出し、オウガスト王国付近にある山の頂上に俺の石化体を放置していった。俺は意識だけは何とか残りその時を今か今かと。何年、何百年、何千年、どれだけ時がたったかわからないごろ、俺の体に急にヒビが入り始める。
ビキビキビキビキ!
これは、これならもう俺はこの呪いからとけそうだ!
ビキビキビキビキ!
もうちょいだ!はやくとけろ!とけろ!
ビキビキビキビキ!パリーン!
俺の石化がとける。とけたと同時に何年、何百年、何千年動いてなかったから体に力が入らない。
「く、くそ。せっかく、石化がとけたのにか、体が、うご、かな、い。ち、力が、はいらねぇ」
長年石化していたから魔力も体力もかなり衰弱していて今狙われて仕舞えば正直あっさり殺されてしまう!
俺が地面に倒れながら考えていると遠くから足音が聞こえる。
ま、まさか魔王の手先が俺が目覚めたのを知って始末しにきたか!く、くそ。このままじゃ終われない。頼む!体よ!動いてくれ!
俺は顔だけはなんとか動かせたから地面を見いている顔を上げて、上を見る。
そこには腰に杖を装備し、体格は細めの女性がたっていた。
「あ、あれ?おかしいわ。いつもここに石像が置いてあったのにそれが割れてなぜか全裸の男?が倒れてるわ」
女は俺の体をジロジロ見る。大事な部分が下だったから大丈夫だったのか?恥じらう様子もなく普通に俺の体を観察していた。
「す、すまない君、着替えと食料を持ってきてくれると助かるのだが」
「わ、わかったわ。あ、一応防御魔法かくておくわね。帰ってきてから死体になってたなんてあとあじが悪いからね」
女は杖でほいっと俺に何かの魔法をかけてから俺のために、食料に衣服をとりに向かい、数時間後、少なめの食料と最低限の衣服を持って来てくれた。
「ごめんなさい。お金は少しはあるけどとっておきたいからそこまで高いのは買えなかったわ」
「構わないさありがとう。それじゃ着替えさせてもらうよ」
俺は女が帰ってくる前には一応立てるまでには回復していたので持って来てくれた服に着替えてから食料を食べる。
「ところであなた名前は」
「俺の名前、か。うーむ」
本名を言えば怪しまれてしまうかもしれないしこいつとは友好的でありたいからなー。
どうしようか・・・
俺は名前をどうしようか悩んでいた。