『主体と客体についての、思想』
『主体と客体についての、思想』
㈠
一つの場所があったとする。其処に、初めに辿り着いた者は、主体になる。其処に、後から来た者がいるとすると、その者は客体になる。主体者は主体であろうとする、こういう不可思議な現象は、一体何と呼べば、事は足りるであろうか。
㈡
自己が自己で在り続ける為には、常に主体的で居なければならない。これは、一つの命題ではあろう。しかし、やがて、主体は客体に追い出されるのである、これは命理である。そしてまた、主体となった客体は、新たなる客体に、追い出されるのだ。
㈢
こういう、一つの思想が出来上がる時、我々は何処に、中核を見出せば良いだろうか。一概には言えまいが、或る程度までなら、この思想が、本質的には、世界の原理の様に認識出来るだろう。国境の争いが、また、争いにならぬ為への、平和思想でもあるからである。