表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

~茜色~

.

.

.

「…いい加減なんか言ってよ」



暫く黙っているとか細い声が聞こえて我に返る

よく見れば彼も小さく震えていて怯えた瞳で私の足元を見ていた




「…こっち」



私は立ち上がると彼の手を引いて階段へと戻った





彼は家に返すべきなのかもしれない

巻き込んじゃいけないのかもしれない





でも一人じゃどうしたらいいか分からなくて

「…あの、ごめんなさい」

そう言って階段へと足を踏み出した




一段一段上がる度に心臓が大きく跳ねる

2階に辿り着くと日の落ちかけた薄暗い中でも

床一面に広がる茜色がハッキリと見えた




「な、なんなんだよ?」

一段下にいる彼には見えないのであろう




「…待ってて」

その奥の景色を見た時、時間が止まったように感じた




廊下の突き当たり両親の寝室の開け放されたドアの先には床一面の茜色の上には横たわる二つの影が見えた



「っ!!!」



思わず後退るとカチャッと音がして鋭い痛みが走った

「いっ…た!」

見下ろすと真っ赤なナイフが…





「どうした…!?」



駆けよって彼は目を丸くして激しく震えだした





「…ごめんなさい」




彼の手を握り、だけどここまできて逃げられない

確認しなくてはいけない…と足を動かした




「…お…おい…まっ…て…」



ガタガタ震える彼の手を離すことはできずに

近くにあった影の方へと足を運ぶ

ベッドの下から出ている影は女性の体のようだ




下半身だけが見える

スカートやスリッパを確認する




「…お母さん」「ひっ…!」



その瞬間私たち二人はドサリとその場で気を失って倒れてしまった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ