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~集団下校~

さっきのは予鈴だったようで

なんとか授業には間に合ったけど

さっきの出来事で胸がモヤモヤとする




あんな夢いつものことなのに

今日は触れられたせいなのだろうか?



.

.

.



放課後掃除を終えて

集団下校の為集まる

朝と違うのは帰りは同学年だけということだ



家が近い子達が集まってぞろぞろと帰宅する

「先生、さようなら」

先生に挨拶して出発した



帰りはきちんと一列に!なんてことはなく

友達と話しながら何列かになって歩く

集団で帰りさえすれば良いみたいだ



「ばいばーい」「また、明日ねー」

家が近いとはいっても

私の家はこの中では遠い方なので

必然的に残るのは…私達二人になる




「……」

「……」

お隣さんと言えば幼馴染みで腐れ縁のような関係を想像するかもしれないけれど、私達はただ隣に住んでるだけの、本当にお隣さんでしかない




私は仲良くなりたいんだけど

性別が違うせいなのかなかなか仲良くなれない




「…あ!あっくん!待ってよ!」

先に耐えきれなくなったのか

走り出してしまうあっくんを必死に追いかける



「おい」

急に止まったあっくんのランドセルに鼻をぶつける




「いたっ」

鼻をさすりながら立ち止まってあっくんを見上げる




「その呼び方やめろっていったよな?家まで持て!」

いつの間にかおろされた黒いランドセルを

私に放り投げられ慌ててキャッチしてしまった




「じゃ!よろしく!」

ニヤリと笑いながら軽快に歩く彼に文句を言おうと思ったけど、忘れていた私が悪かったと渋々ランドセルを抱えて追いかけた。





「早いよ~」

ランドセルは何も入ってないらしく重くはなかったけれど、自分のランドセルだけでも重いので、疲れてる今日は凄く辛く感じた。




「おい、お前の夢ってさ…」

今度はゆっくりと歩いて私に話しかける




「なにー?」

まだ距離が近くないので良く聞こえなくて、小走りになる。




私が近づいたのを確認すると再び言葉が発せられた




「お前の夢って翼の生えたやつが出てくるんだろ?」

登校中後ろにいる彼には筒抜けだったようで

よく下らないなどとバカにされる




「わかってるよ!夢は夢って言うんでしょ?」

ランドセルをよいしょと持ち上げると目の前がランドセルで見えなくなった




「うわっ」

急にガコンと振動がしたかと思うと

抱えてたランドセルを掴まれて身動きが取れない




自分で持ってくれるのかな?

でも離して落としたら怒るだろうし…遮られたままの視界でどうするべきか考えてると




「俺も…見るんだ」

思いもよらない言葉が聞こえた

「え?」

ランドセルで遮られて顔は見えないけど確かに聞こえた





「…長い銀髪の翼の生えたやつの夢」

その言葉を聞いた瞬間ランドセルから手を話したしまった




ドサッ



黒いランドセルが地面に落ちて

慌ててそれを拾って詰め寄った




「い、いつから!?」

想像より大きな声が出てしまい自分でビックリしてしまった





「…昔から」

めんどくさそうに頭を掻きむしりながらも答えてくれた彼に気持ちが温かくなってくる




「うそ…でしょ」

「………」





何でいってくれなかったの!?とか

凄く綺麗な人だよね!?とか言ってる内に家の前まで着いてしまった。私の家の方が1つ手前なのだ。






「あ!また明日話そ!約束!ね!」

そう言って自宅の門をくぐって手を振った




「ん…まぁ…いいけど」

こちらを向きもしないままスタスタと自分の家へと向かって歩いていく背中を暫く見守って、玄関へと続く階段を軽やかに駆け上がった。



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