火属性管轄魔法庁(3)
初の人との戦闘。それは玲二にとってある意味緊張感のある戦いだった。
玲二は戦うとなった時、思ったのだ。
『俺怪我したくないし、なんか分からないが女性に怪我させたくない』と。
その為玲二は安全策をとったのだった。
試合が始まった瞬間、時間を止めて後ろからリアの首元に短剣を構え魔法を解除した、ただそれだけである、しかし端から見たら一瞬の出来事だっただろう。
なんとも呆気ない戦いだった。
審判役は、はじめっ!と声を出した言葉を放った途端、玲二が消え、いきなりリアの首元に短剣を構えた状態で現れたので無言で困惑している。
見ていた他の魔法使い達も現状に付いていけず黙っていたが、アーヴィンだけはガハハと笑っていた。それどころか、むしろ爆笑していた。
「…な…によ…これ!?」
動こうとした途端のこの状態になり、さらに首に掠める刃が当たらないよう喉を絞りながら話すリア。
その言葉で状況をつかめなかった審判役は我にかえり勝負の終わりを告げ決着は着いた。
「やめっ!勝負あり!」
審判役の一言で玲二は短剣をしまう。
玲二は流石に時間を止める魔法でMPがどっと取られたのか、何とかなったという安堵でなのか汗がどっと出ていた。
とりあえずは元の位置に戻ろうとする玲二、その背中にリアは叫んだ!
「なんっなのよ!?これ!?どゆうこと!!?何でいきなりあたしの後ろにいるのよ!?」
ガハハという笑い声が引き笑いになって聞こえてくる。
玲二はリアの質問に分かりやすく答えた。
「時間を止めて剣を構えました、止めてる間俺は動けるのであなたの背後をとりました。MPをかなり使うので10秒ほどしか止めれませんけど」
それを聞いたリアはプルプル震えている。
「それでも………卑怯じゃない!!反則よ!はんそく!!!」
ビシッと人差し指を指して文句を言っている、そんな態度に流石に引き笑いが止めアーヴィンが話しかけてきた。
「リア、流石にそれはないだろう。魔法庁での模擬戦は魔法であれば何でもありだ。敗けは負けだ」
「嫌よ!こんなやつに瞬殺なんて!ラドさんに何て言えばいいか…」
「ああ何でラドの名前がでるんだ!?ん?……あぁ、お前勘違いしとったな。ラドに勝てるって言ってたの、ラド自身が言ったんだぞ。そんだけこいつの力を信用してるってわけだ」
「え!!?…勘違い?」
「あと、こいつラドの故郷守ったタダのいい奴だからな。謝っとけよ」
「え!!?…あ…てっきり、ラドさんを虚仮にした生意気な奴だと思ってて……………ごめんなさい…」
剣を鞘に戻しペコリと頭を下げるリア。
「ま、能力はしっかり有るみたいだからな、合格だろ?いい魔法使いが誕生したなー」
しかし、リアは先ほどの戦いがご不満の様で。
「確かにあんなことされたら一人なら瞬殺だけど、火属性の能力については何も測れてないわよ。火でどれだけ戦えるかなんて使って見せてないからわかんなかったじゃない、そもそも時を止めて移動したなんて考えられないわよ」
リアは何よ?文句あると言わんばかり此方を見てくる
そんなリアの姿にニヤリと微笑みながらアーヴィンは玲二に話しかける。
「お前、まだ魔力残ってっか?火の矢出せるだけ出してみろ。使えるんだろ?」
玲二は火の矢なら時間を止めるより断然MP消費が少ないため余力はあった。
なので最大限出せる数の12本の矢を一斉に召喚する。
その火の矢を適当な的に放つ。
「これでいいですか?」
玲二は火が消え行く様を見届けてからアーヴィンに話しかけた。その玲二の顔はMP消費でより汗をかき、憔悴しきっている。
アーヴィンは玲二の能力の高さに満足し、ガハハと笑った。
リアはというと
「………矢の数、私より1本多い………何よ、やっぱり生意気じゃない」
ボソリと一言。玲二の能力の高さに嫉妬していた。
話がつまんないので
次の話も3日後には、書き終えて投稿したいと思っています。
いつも読んで下さる方々ありがとうございます!