その後(4)
ユーリに最近覚えたての結界を見てもらう。MP消費の大きい為使えないシロモノ認定した魔法だ、魔法を弾き返す性質は凄いが使えない。
ユーリは俺の張った結界に白の鎖の触手で攻撃を仕掛けるが結界に当たると跳ねるように弾き返される、さらにユーリは物理攻撃を仕掛けると身体は軽く跳ね飛ばされる。
地に伏した事による服に付いた砂を払いながらユーリは考え込んだ。
「これって時間を止めてるんだよね?だからMP消費が多いんじゃないかな?僕の鎖とまではいかないけど…透明な壁という物を召喚するみたいな概念にしたらこの弾く壁はただの壁になってMP消費量少なくならないかな?イメージで創造できるんでしょ?魔法」
ユーリにそう言われてみて、なんとなくな考えを走らせてイメージを固め魔法を使用してみたが変わらずユーリの触手は弾かれ、MPはゴリゴリ削れる。
「と言われてもね………イメージが時間を止める事に定着してるのか変わらないな」
ユーリは触手の先を結界の天井の部分に攻撃を当ててボヨンボヨンと弾ませながらモヤモヤとした表情を見せる。
「ん〜、例えばレージって魔法袋って魔法勝手に覚えたんだよね?その袋の部分に覆われてるって考えてみたら?」
「魔法袋か…」
俺は結界を解除し魔法袋を起動する、普段通り取り出す部分の口をしっかり見つめる。
がま口の様に開いた中は闇が渦巻いて見えないが開かれた口周りは背景が透けて見えて魔法袋の中と外の境目がハッキリとわかった。
―――俺はその魔法袋の端を手で掴み引っ張った。背景が透けているが薄い膜の様な、それでいて硬い鉄板の様な触ると柔らかいが硬く冷たい不思議な感覚の袋の部分。ソレを手に取り肌で感じ理解した、この感覚のモノで結界を起動する。
「………成功したかな?」
ユーリが触手を結界に攻撃するとユーリの触手は大きな手の様にしながらも結界を包み込んだり叩いたり張り付いたり、弾かれる事はなかった。そして俺のMPは全くといって減っていない、ユーリの見解は正しく俺の結界は使えるものに変わった。大成功だ!
「うんうん、成功したみたいだね。MPの減り具合はどうかな?」
「減った感じがしないな、大丈夫そうだ」
俺は結界を解除して体調に変化がないか確認した。ユーリは浮くのを止めて地に降り立ち俺の身体をまじまじと見る
「魔力の流れも普通そうだし空間の概念の固定化が出来たかな、より魔王様に近づいたね!お兄ちゃん♪」
ユーリはそう言って俺の腕に抱きついた。おいっ、また魔王か。
「魔王様は結界とか使えるのか?」
「ん〜、戦ってる姿は見たことないけど空飛んでたしいきなりアイテム出したり出来たから同じ事は多分出来ると思うよ!同じ白魔法だもん、難しいか否かだけだよ」
「魔法袋は使えて空飛べるのか…空は……流石に飛べそうにないなぁ」
「イメージ化が出来ればいずれ飛べそうだけどね!」
そんな事をいいながらまた触手でフヨフヨ飛ぶユーリ。
平然と宙に浮いているところを見ると魔法については俺よりも凄いんだなと感心した。
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