次の作戦
暫くして俺とリアは夜のファート領の屋敷近辺で突入機会を伺っていた。
盗賊の頭が証拠となる証言をすぐに吐いたのだ、ちょっとしたある出来事のおかげトントン拍子に物事が進み、後は仕上げの状態になった。
ファートが寝静まる頃に奇襲して奴隷達を開放する、その時を今か今かと待っていた。
「そろそろか…?リアどう思う?」
屋敷の様子を伺いながらコソッとリアに話しかけた。
「もう少しかしら」
真剣な表情で屋敷を見つめるリア。
「盗賊退治の件で肝心の砦全壊させて証拠が消えるとこだったから今回は絶対にミス出来ないわ、奴隷という命が掛かってるもの。だからレージ、少しでも危険な状態の時は必ず時間を止めて」
「そうだな、あの時は悪かった。結界の練習し過ぎたせいか咄嗟の判断で結界使ったのは完全に判断ミスだった」
リアに言われた事は今後の死活問題になる、結界はMP使用量の事を考えると使える代物じゃなさそうだ。
少しでもヤバそうなら時間を止めてリア抱えて逃げる……リアを抱えるのは恥ずかしいが。
リアに目配せすると頷いて無言の開始合図をする。
……といっても正面から堂々と時間を止めて侵入、様子をうかがい監視がなければリアを呼ぶ。
が、俺達が思っていたほどの監視の存在が全くといっていない。
ファートを守る者がいないのか?………いや、そんな訳は……――
そう思っていた時だった、部屋の奥で話し声が聞こえる。
『………お前は全く……で可愛いやつよのぉ〜』
『……で…………やろう』
『はい、御主人様』
ファートの寝室のようだ、俺達は意を決して扉を開けた!
上裸の汚らしい身体を晒したファートと可愛らしいネグリジェのユーリがベットの上にいる、ファートは慌てて立ち上がり声を上げる。
「お!お前たちは!何しにきた!!」
「ファート!分かってるだろ!観念しろ!!」
「大人しくお縄に付きなさい!」
「な、何を言ってるんだ!侵入者だ!ユーリ殺れ!!」
「はい、御主人様」
ユーリはベットで寝そべったまま宙に浮きゆっくりと床に着地する、明らかに四属性魔法ではない怪しいオーラを纏い俺達の前に立ちはだかった!
「御主人様の為、貴方達は死んでいただきます」
ニコニコと笑みを保ちながら死んだ様な暗く丸い瞳でこちらを見据えて初めてあった時の様に丁寧な挨拶をする。




