盗賊退治へ(3)
適当に腹ごしらえして領主の屋敷に戻るとミラが俺を待っていた。
「おおっレージ!見せたいものがあるんだ、庭に来てくれないか!!」
ミラはモーリーに何かを頼み俺の手を引く、屋敷の庭の隅にある花壇の近くに案内された。しばらくすると一冊の本を持ったモーリーが現れる、リアがその本の外装を見て何かに気付いた。
「あっ!もしかしてそれ魔法書?」
「ええそうですよ、と言っても子供でも覚えられるような簡単なものしかないですがね」
そう言ってモーリーは持っていた魔法書を俺に手渡した。
手に取って分かる本の薄さ、王立図書館で見た本とは違うイラスト付きの子供向け初心者用魔法書だ。俺が魔法書を受け取ったのを確認してミラが手招く。
「レージ!私が使える自慢の魔法だ!披露するからよく見とくんだぞ!!」
ミラは胸を張って腰に手を当て決めポーズを取ると踵を返して両手を前に出して魔法を唱える。
「サンフラワー!!!」
パァッと小さな光る球体ミラの頭上に現れた後、球体の下、ミラの足元に綺麗な一輪の花が咲き誇る!!
…………うん、綺麗だね。
「どうだっ!!!凄いだろう!レージ!!」
「……ウン……スゴイネ………えっと、コレだけ?花が咲くだけなのかな??」
「そうだっ!!」
えへんっと威張るミラ、とっても可愛らしいがこの魔法に何の用途があるのだろうか……俺の後ろではマーベラス!素敵ですぞ!!と絶賛スタンディングオベーション状態のモーリーのじいちゃんがいるが気にしないでおこう。
「……ミラ、魔法を教えてくれるのは有り難いんだが、コレは俺が使う魔法としては必要あるのか?」
「何を言ってるんだ!この魔法は我が国では重宝される魔法なんだぞっ!この魔法を使うと作物がよく育つ!!マンドラゴラも喜ぶっ!!土地を治める領主のほとんどが使う素晴らしい魔法なんだ!」
「そうか、済まない。そんな凄い魔法だとは思わなくってな」
「ま、まぁ!わかればよいっ!!よしレージ!次を見せるぞ!!」
自信満々で魔法を見せるミラの無邪気な姿はとても可愛らしいが使う魔法はどれも俺には攻撃としては不向きな魔法ばかり『ブレイク』……呪文の響きはいいが土をボコボコして耕す魔法、農家の方は大助かりだ。『メガデル』……種にやると芽が出る魔法、これまたよく育つようになる。
メガデルは四股を踏むように大股になり地面から芽を伸びるイメージで両手を天高くあげ踏ん張りながら呪文を唱える、まるでジ○リのト○ロ。女の子がやる分にはいいが大の男がやるような魔法じゃない、恥ずかしすぎる。
ミラは3つの魔法を披露してどうだ!凄いだろうと息巻く。……とってもファンタジックで可愛い魔法だった、だがこれを何に活かせばいいのだろうか。
お久しぶりです、いい加減書きます。




