盗賊退治へ
「おはようレージ!!」
朝、夕飯を食べた屋敷の食堂に向かうと昨日とは打って変わって明るく可愛らしい笑顔のミラが俺に気付き挨拶する。問題は解決してないが俺達が終らしてくれるのだと確信したのだろうか?ミラの雰囲気はすっかり和やかムード、今日は口が達者なお嬢様でしかない。ミラの後ろにはモーリーが、俺も紅茶を飲むかと勧めてきたので遠慮なく貰う。しばらくするとメイドが朝食を持って来てくれるタイミングでリアが寝ぼけ眼でやって来た。
「レェ~ジ~、おはよぉ~」
そういいながらリアは何気なく俺の隣に座るとモーリーがボソリと一言呟く。
「……孫にもようやく春が」
「ブウッッ!!」
俺は思わず紅茶を吐き出してむせる。何言ってるんだ、じいちゃんは!……そりゃぁ確かに俺に青春という春は無かったさ……あぁそうさだけどもじいちゃん、自分の事の様に嬉しそうにしないでくれよ……と俺は悲しみつつも少しの期待でチラリとリアの反応を見ようとした……が恐くて止めた。そもそも俺のメンタルは30歳のおっさんでリアにその事を話してない、きっと知られたら幻滅するだろうし、リアは優しくて父にも言われたから今助けてもらっているだけでそんな風に思われるのもはっきりいって迷惑に違いない。一瞬の出来事の間にぐるぐると考えが沸騰したお湯の気泡のように湧き出てきて弱々しくなりながらリアの為に否定した。
「……じいちゃん止めてくれよ、リアにはお世話になってるんだ。リアのお陰で俺は今こうして旅に出来てるわけで……優しくしてもらってる大事な人に茶化すような事言わないでくれよ。リアにとっては仕事の一つでしかないんだ、リアに謝ってくれ」
怒りを露にする俺にモーリーはオロオロと戸惑いつつつも孫に怒られてショックなのかかっこよかった執事とは思えぬほどヨボヨボ爺顔になって謝る。
「……だが……その……れいじぃ……いや、すまんかったぁ……リアさんもすまない……わしの孫はこんな性格なんでなぁ見捨てんでやってくれ」
「……そんなこと言わなくても見捨てる気はないわよ!」
リアはじいちゃんの謝罪にそっぽを向く、やっぱり迷惑だよなぁ~……そんな風に思いながらも出された朝食を食べ始めた。
お節介なじいちゃんのせいでリアの機嫌が心配だ。今日は領地の偵察を兼ねてリアと観光でもしよう、国から離れている田舎といえど観るところはあるだろうし羽も伸ばせる筈だ。




