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盗賊捕縛計画中

名前決まんなくてお待たせしました(´・ω・`)


 部屋に戻り、広げた地図を基に盗賊の捕縛の計画を考える。

いざ話し合おうかと思っていた矢先メイドが走ってミラの耳元にやってくる。

「お嬢様耳をお借りします!実は……」「なに!?……今は大事なお客様との応対中だと断れ!」「ですが……」「……くそ、わかった少し待ってもらうよう話をつけてくれ」「……かしこまりました」


メイドは頭を下げて再び何処かへ行った、扉が閉まると同時にミラが俺たちに話掛ける。



「少し不味い事になった、噂をすればというがこのタイミングで来るとはな」


意味深な言葉にモーリーが何か気がついたようだ。



「……お嬢様、もしや」「そうだ、あの領主が来た」



そうミラがいい放つと何処からかドカドカと荒々しい足音が此方に向かってきてバタンッと部屋の扉が壊れそうなほど力強く開いた。



「……おや、本当にどなたかいたようですね」



「だから応対中ですと……お嬢様、申し訳ございません」



謝罪するメイドを他所にドカドカ入ってきた()()と呼ばれた人は見るからに図体も態度もでかく、俺とリアを見るなりパンパンに浮腫んだ顔の眉間に皺を作って蔑んだ目でこう言った。



「どこのどいつかわからんが退いてくれるか?大事な話をするもんでね」



俺はカッとキレそうになったが、ミラに止められこちら側に座るように促された為渋々ミラ側のソファーに詰めて座る。領主は先ほど俺達が座っていたソファーの背もたれに両腕を掛け足を組みふんぞり返る、ミシッとソファーの脚が軋む音がする。ふんぞり返った領主の斜め後ろには巨体で姿が隠れていたようで、可愛らしいフリルの衣装を着てその格好には似つかない重そうな首枷と手枷をした女の子が立っていた。メイドはミラに申し訳なさそうにしながらも渋々領主に嫌みを込めて紅茶を並々に注ぐ。



「……おやミラ様、部外者はここに入られると困るのですが何故そちらに座らせるのかね」



「なにこちらの方々はこの度私の護衛として暫く働いて貰うことになってね」



「ほう、ですがよろしいのですか?何処の馬の骨か分からぬ人を雇ってしまって、噂でお訊きしましたが前領主が妻共々お亡くなりになってミラ様も命を狙われてる身だとか?」


さっきから虫酸が走る物言いをする領主はミラにも心無い毒を平然と吐く。何なんだこいつはと俺は思った、こめかみがピクピクと動き異様な雰囲気に包まれた部屋の空間に激しいストレスを感じる。ミラはサラッと受け流し笑顔を絶やすことなく対応する。子供ながらも大人な対応だ、俺には到底無理だ。



「ええ、ですから私の執事であるモーリーから信頼出来る方としてレジさんを紹介して頂きました。それから此方のお姉様は魔法庁のリア=へニングさん、お名前くらいはご存じでしょう?」



領主は冷やかな表情で紅茶を飲んでいたが、リアの名前を聞きギョッとする……が瞬時になに食わぬ素振りをして領主は笑顔を見せる。



「おぉこれはこれは魔法庁の方でしたか、それは失礼しました。では私もご挨拶を……ベテルブルグ領領主のファート=ベテルブルグと申します。メイヤー領とは私の管轄の領地と面してまして、いわばお隣さんみたいなものでしてな前領主の代から仲良くさせてもらってます」


ミラはハハッとから笑いをしてシーンとする、ファートが発した言葉で一気に緊迫した空気を感じた。ファートと名乗ったこの男……こいつがそうなのか、ミラの親の敵かもしれない奴隷制度を指示している領主。平然と相手を逆なでするような事をいい、相手を見てわざとらしく媚びへつらう。如何にもな人格が品曲がって偉そうな態度のファートを睨み付ける様に見た。



「してファート様……用件はなんでしょうか?」



「あぁそうですね、早速ですが本題に入りましょう。ミラ様にとても素敵なお話がありまして……」



「そうですか、どんな話で?」



「ミラ様も領地の管理や復旧で忙しいでしょう?護衛を雇うにも信頼が必要不可欠。ですからここは絶対に裏切らない信頼できるパートナーの紹介をと思いましてぜひとも奴隷はいかがかでしょうか?」



「「「「!!?」」」」



この部屋にいる全員がその言葉に驚き凍りついた、まさかのミラに奴隷を売り込みに来るなんて想像も出来なかった。ファートはニタニタと笑いながら後ろの手枷をしたフリルの女の子を紹介する。



「この子も見れば分かりますが奴隷でしてな、とてもかわいらしい顔立ちをしてますが魔法に長けております。奴隷ですから魔道具の力で反抗する事は出来ませんし、護衛として如何かなとも思いましてね。この子を購入して頂ければもう()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」



ファートの宣戦布告、そして脅しだ。要するに死にたくなければ奴隷制度を容認しろと宣ったのだ。


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