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モーリーが再会するまで(3)

ブクマ、感想、誤字報告ありがとうございます!



 思いがけず幼い女の子を助けた、女の子の名前はミラと言った。ミラは領地の娘らしくわしらは盗賊から逃げた時、そのまま馬に乗った状態で領地主の屋敷に向かった。ミラは屋敷に着いて屋敷の者に話し、その足でわしと共に今度はティエラ国とやらにも向かった。


ミラはここまで来る道中、わしに何度も助けて貰った事を感謝した。そして今頼れる存在であるわしに護衛としてついてきて欲しいと願い同時に迷惑を掛けてすまないと謝った。わしとしてはこの世界に来たばかりであったから(ミラ)に会えたことはよかったと思っとった。それに悲惨な出来事が起きた手前残った子供を一人にはさせたくは無いし、可愛い女子が涙を流しながらも領主の娘として強く行動する姿に微力ながら手助けしたいと思っていた。


ティエラ国はこの世の物とは思えない緑に囲まれた不可思議な国であった、一度死んだ身のわしはもはや天国なのではとも思えるほど幻想的場所じゃった。

ミラは国の兵士に連絡を取り次ぎして貰い急ぎ国の中心部の城へ向かう、わしは勿論護衛として付いていった。


城に着くなりわしはミラだけ城に通され、しばらくするとわしも城の中に案内された。

案内された部屋では魔法省管理者宮廷魔法師のカーヤという方とミラがいた。

ミラが言うにはカーヤがわしが使用した結界を見てみたいとのことで呼び出したようじゃった、言われるがまま結界を発動しカーヤに見せる。



「ややっ!これはこれはぁ~!!あぁ~?ん~?不思議ですねぇ」



カーヤは驚き、悩み、結界を叩いたりあちらこちらを眺めたりメモに何かを記した後わしに結界を解くように話した。



「これは風魔法の結界に似ていますが、魔法ではありませんねぇ……魔力を全く感じません。しかし魔法も物理も全く通さない……凄い効力です、不思議ですねぇ……貴方、この術は一体どちらで覚えたのでしょうぅ?」



カーヤの問い掛けにわしは素直に固有スキルというものであることと先ほどこの世界に来たばかりだと言う事を話した。

ミラもカーヤも驚きはしたが、この世界に来る前の世界の話とこちらに来るまでの成り行きを詳しく話すと結界の効力の強さから異世界から来たことも神から授かった力だということも理解してもらえた。


ミラは領地に戻り両親の代を継ぎ領主として働くそうだ。そこでわしに執事兼護衛として出来ればこの先良きパートナーとして働かないかと訪ねてきた。

わしは先にこの世界に降り立った孫の行方を探す事を1つの条件にしてミラの執事として働くこととなった。


それからは少々大変であった……執事としてのマナー、対応力。自身の能力の研究、ミラ様の子供とは思えない厳しい指導と侍女の手助けにより少しずつ執事として働けるようになった。


1ヶ月働き、わし……いや、私はミラ様のパートナーとしてこの世界に来てとても充実している、ミラ様はこの世界で私の孫の様に大事な家族だ。

しかし仕事面では私とミラ様だけでは今の領地の現状を変えることは出来ず、気の休まる事はなかった。領主としての仕事は幼いながらもミラ様のお力のお陰で滞りなく出来てはいたが、領地周辺に隠れ住まう盗賊もとい両親の敵が貿易商を狙い領地に被害が及んでいた。

そんな折カーヤから吉報と悲報が同時に届いた、我が孫だと思われる者の指名手配だ。

情報だけで我が孫かどうかは分からぬがこの世界で今だ見ぬ不思議な魔法を使用するほぼ同じ名前のレージという男、直感で私の孫だと思った。なぜ指名手配に……と困惑したが、カーヤ曰く内情からこの者は犯罪を犯していないらしい。いずれにせよ、レージがこちらの国に寄る可能性が出てきた為私はギルドに日本語でメモも記した。


どうか孫が見てくれる事を願って……そしてその私の願いはみごとに届いたのであった。

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